9月19日から嵐のコンサート「ARASHI BLAST in Miyagi」がひとめぼれスタジアム宮城でスタートした。東日本大震災復興支援のため、宮城県から招致を受けて開催。4日間で20万8000人を動員、93億円の経済波及効果があるとする宮城県肝いりのイベントだ。
「5月に開催を発表した途端、宿泊予約が殺到。ホテルの電話回線がパンクするなどパニックに陥り、仙台市内の宿は瞬時になくなりました。このあおりを受けて、同時期に開催を予定していた学会が延期したり、タモリが大会名誉会長を務めるヨットの大会『タモリカップ』が中止になったり。さすが当代一の人気グループ、嵐だと宿泊施設関係者は目を丸くしたものです」(芸能ライター)
嵐ファンが殺到したために、宿泊予約できなくなったとされているが、本当のところは少々違うらしい。
「宿は事前に旅行会社があらかた押さえていた。その後、旅行会社がアクセスツアーなるものを発売。宮城までの交通手段や周辺の宿を網羅し、往復バスだけのもの、往復新幹線だけのもの、それぞれの交通機関に宿泊を組み合わせたものなど様々な種類があった。東京からの新幹線の往復に仙台市内のホテルに前後泊して1人1部屋6万円など、連休期間で宿泊料金が高いというのを考えても、ボラれているとしか思えない値段設定のプランばかりだった」(ネットライター)
おまけにこのツアー、どれも食事はつかない。売る側にとっては、こんなに儲かるプランもない。
19日のコンサートのために東京から早朝、日帰りバスツアーで駆けつけた嵐ファンが言う。
「往復のバスはトイレなしの旧型で、スタジアムに到着したのが昼過ぎ。会場の隣で東北6県の名産を堪能できる屋台100軒が出店した復興応援市場は、売り切れが続出していました。飲み物の自販機も冷たくする暇がないほどバカ売れ。コンサートのオリジナルグッズを買い求める列は、最高で4時間待ちとなる大盛況ぶりだった。トイレの50分待ちで青くなる人もいましたよ」
前回の「ARASHI BLAST in Hawaii」の際、約30万円のツアー料金に文句ひとつ言わずに申し込んだのが、3万人の嵐ファン。このツアーに参加しないと、コンサートが観られないという「縛り付き」のため、申し込まざるを得なかったのだ。ファンが続ける。
「嵐ファンは大変なんです。コンサートのチケットを取るのに、まずファンクラブに入会しなくてはならない。入会しても全員が観られるわけではない。コンサートの都度、抽選になります。うまくチケットが取れても、今回のように地方だと往復の旅費、滞在費がかかる。オリジナルグッズは毎回新発売される。ことごとく食い物にされて、“嵐貧乏”がエンドレスに続いていくんですよ」
嵐ファンが独自に集めた情報を共有するサイトやツイッターなどが目下、フル稼働中。現地でのトイレの行列待ちの時間や限定商品の発売状況などが逐一報告されていく。何度カモにされても、抜け出せない魅力が、嵐にはあるようだ。
(塩勢知央)