進次郎氏は9月30日に都内で行われた勉強会で、過去に総理が中小企業に賃上げを“強要”した件を猛批判した。
「オバマ大統領がフェイスブックのザッカーバーグ(CEO)に、従業員の賃金を上げろと言うなんて、ありえませんよ。“ふざけるな”で終わってしまう。ところが日本ではそうなる。本来、民間企業の賃金は、その企業の経営者が全社的な判断で決めるべきものなのに、国が上げろと要求すると実際に上がる」
会に参加した男性がその時の会場の様子を明かす。
「総理に対して『ふざけるな』とまで言って批判するとは‥‥。強気な発言に会場はどよめきました」
その5日前に掲載された神奈川新聞のインタビューでは、「安保」で安倍政権の説明が国民の理解を深められなかった点について、
〈原因をつくったのは自民党自身だ。国民も、党に緩み、おごりを感じるときがあるのではないか〉
また、国会審議で総理が野党の質問者にヤジを飛ばしたことも原因の一つにあげるのだった。
やたらたてつく進次郎氏に堪忍袋の緒が切れた総理は、
「アベノミクス、安保法制、反原発、全て私に反発して何様のつもりなんだ!」
と側近に怒りをぶちまけたという。官邸に近い党内のベテラン議員からも、こんな声が上がった。
「(改造で)重要ポストで起用すれば、口を慎むんじゃないのか。もしくは無役にして干すべきだ」
そもそも進次郎氏は、なぜ総理に反目するのか。政治評論家の浅川博忠氏が因縁について語る。
「関係の悪化は、小泉純一郎元総理の時まで遡ります。元総理が命がけで実現させた『郵政民営化』で除名した議員を、安倍総理が復党させました。仁義を通さなかったことに元総理は憤慨し、その軋轢が引き継がれているのです」
両者の仲が悪くても「自民党」にとってプラスになれば入閣もありうるのが政治の世界。しかし、東京新聞編集委員の五味洋治氏はこう案じる。
「まだ経験が浅いのに、このタイミングで入閣したら人気集めという魂胆がバレバレで、支持率が回復するのか疑問ですね。進次郎氏は政務官に就いてから目立たなくなり、『安倍批判』を繰り返して存在をアピールしているように見えます。今は焦らずに政治家として主義を曲げずに勉強を続けるべきです」