安保法案の強行採決で安倍政権に逆風が吹いている。内閣改造で支持率をアップさせるため、まず画策されたのは小泉進次郎氏入閣という“利用法”だった。そんな官邸サイドの思惑とは別に、進次郎氏は総理を罵倒しまくり、「入閣拒否」の姿勢を見せている。オフレコ言動から“騒動”の裏側を探った!
「支持率は予想よりも下がらずにほっとしている。まだ不支持が上回ってはいるが、来年の参院選までには回復するだろう」
安保法案成立後、新聞各社が行った世論調査で、内閣支持率はほぼ横ばいの微減にとどまり、与党幹部の一人は安堵のため息を漏らした。
宿願を達成した安倍晋三総理(61)は、9月29日午前(日本時間同日夜)に米国のブルームバーグ本社で講演し、高らかに次なる目標を宣言する。
「一にも二にも三にも、私にとって最大のチャレンジは経済、経済、経済だ!」
だが株価で支持率を支える安倍政権の先行きには、早くも暗雲が垂れこめている。政治部デスクが語る。
「中国バブルの崩壊や米国の利上げ時期の不安から、日経平均は8月中旬から約1カ月半で約4000円も値を下げた。安倍総理は想定外の暴落に、日本銀行の黒田東彦総裁や麻生太郎副総理兼財務相らに相談したが、妙案が出なかったことにイラだちを見せていた」
そこでさまざま画策しているのが、10月7日に断行する内閣改造だ。19閣僚のうち、すでに菅義偉官房長官、岸田文雄外相、稲田朋美政調会長など10人が続投の見通しとなっている。
「留任が多いと入閣待望組から不満の声が上がりますが、新たに入閣した閣僚が『政治とカネ』の問題で辞任をすれば、支持率低下は避けられません。安倍総理は“身体検査”を含め、慎重に人選しています」(前出・政治部デスク)
そんな中、総理を支える菅官房長官は、サプライズの目玉として衆院当選3回の“若手”議員の名前をあげたという。
「党内で抜群の知名度を誇る小泉進次郎氏(34)です。2年前に内閣府大臣政務官に就任した際にプッシュしたのも菅さんでした。来年の参院選では18歳以上の若者が投票に行けます。若い世代にも人気の進次郎氏を入閣させれば、支持率アップは間違いないと期待しているようです」(自民党関係者)
それでも総理と進次郎氏の関係は良好ではなく、すんなり大抜擢とはいかないようだ。昨年3月11日、宮城県女川町での追悼式で、
「(安倍総理は『被災地の復興は進んでいる』と言ったが)私は進んだなんて言えない」
と真っ向から否定して総理の逆鱗に触れたばかりか、「入閣拒否」をするような批判を繰り返していた。