先日、ノーベル賞受賞者にトンチンカンな質問をぶつけて批判を浴びた小倉智昭が、今度は海を越えてのトンチンカンぶりを発揮した。小倉が司会を務める情報番組の「とくダネ!」(フジテレビ系)にて、名優トム・ハンクスの美談にケチをつけてみせたのだ。
トム・ハンクスは10月7日、公園で女子大生ローレンさんの学生証を拾い、本人の手元に戻すべくツイッターで呼びかけていた。画像では学生証に記されたローレンさんの名字を指で隠し、「ローレン! 公園でキミの学生証を見つけたよ。まだ必要だったら事務所の者に届けさせるね。ハンクス」と呼びかけたのである。
この美談に対して小倉は、「学生証なんて大学に届けりゃいい話でしょ」とケチをつけ、さらには女性の顔や大学名を公表したと批判したのである。この指摘についてアメリカ事情に詳しいライターは一笑に付す。
「アメリカ人はフェイスブックで顔写真と本名をさらすなど、プライバシーに対する概念が日本とは根本的に異なります。公共の場でも掲示板に実名を書いて呼び出すのは普通のこと。タイムなどの現地メディアはこの件を微笑ましいエピソードとして紹介しており、小倉のような批判は無粋だと一刀両断されることでしょうね」
しかも、小倉は別の観点でもトム・ハンクスにケチをつけていた。友人がマネージャーを務めるアーティストのPVにノーギャラで出演したというエピソードと絡め、ハンクスの行為を「考えようによっちゃ、したたかじゃありません?」と断罪したのである。この発言に前出のライターは呆れてみせる。
「トム・ハンクスはアメリカでも5本の指に入る超有名俳優で、いまさら自分のイメージアップなど必要ありません。むしろ、アメリカで著名人や大富豪に求められる奉仕の精神を体現したとさえ言えます。小倉の発言はハンクスだけではなく、そんなアメリカ文化さえもないがしろにしているのです。その発言の根底には妬みのような感情を感じずにはいられません」
先日のノーベル賞受賞者に対する失礼な質問もそうだが、どうやら小倉は自分が、視聴者の気持ちを代弁していると思いこんでいる節があるようだ。だが多くの視聴者は、トム・ハンクスの美談を素直に受け止めたはず。そんな視聴者と自分のギャップにこそ、小倉は早く気付くべきではないだろうか。
(白根麻子)