火災現場となった「黒猫──」は、5年ほど前から営業を開始。ホームページには、
「広島発の東京アキバ風キッチンスタイルの急接近な萌えカフェです」
「喫茶店として! ショットバーとして! いつでも気軽に可愛いメイドさんに逢いに来てくださいね」
などのうたい文句が並ぶ。広島市内にメイドカフェが珍しかったこともあり、オープン以来、幅広い年齢層の男性客が足を運ぶ人気店だったという。
メイド女性は18歳から20代の学生やアルバイトが中心で、週末になると20人前後が出勤していた。
「黒猫──」が入った雑居ビルは2階建。1階はL字形のカウンター越しに立ってメイド女性が接客するスペースがあり、から揚げやたこ焼き、オムライスといった食べ物や、お酒のメニューが並んでいた。
2階には同じくカウンター形式のカフェのほか、カラオケや1対1で「会話」ができる部屋も用意されていた。これまで店に何度か通ったことのある男性はこう話す。
「平日は午後6時から午前1時まで営業していて、30分1500円から飲み放題。メイド女性はフレンドリーな子たちばかりで、一見客でも明るい雰囲気でお出迎えしてくれました。カフェというよりは、ガールズバーやキャバクラに近い感じでしたね」
東京都内や大阪市内にも系列店がある中、広島流川店の評判が特によかった理由は、「エステ」サービスにもあったようだ。
「30分5000円を支払えば、気に入ったメイド女性を指名して、『キングルーム』という個室で2人きりになれるんです。追加でオプション料金を払ったら、手足を揉んでくれるソフトなマッサージがあったり、室内にシャワーが設置されているので、浴びたあとに紙のスボン一枚だけの姿になって、オイルマッサージを受けることもできます」(前出・男性客)
ただし、それ以上のサービスは一切禁止されており、各個室には防犯ブザーが設置されている。身の危険を感じた時には、すぐに男性従業員が対応できるようになっていた。
「過去には、しつこく連絡先を聞いたり、婚姻届を持ってきて交際を迫って、出入り禁止になった客がいたそうです」(前出・男性客)
その一方で、店には内緒の「裏オプション」も存在していたという。