芸能

感涙の”名セリフ&名シーン”50年秘史!「サインはV・中山仁」

20151105r

 60年代から70年代にかけて、誰もが夢中になった「スポ根ドラマ」の一大ブーム。その最高峰に位置するのが、最高視聴率39.3%を記録した「サインはV」(69~70年、TBS系)だ。

「僕はそれほど大変な撮影じゃなかったよ。衣装はいつも赤のジャージ上下だし、ロケ場所はほとんど体育館。それで女の子たちを叱咤する役どころだったからね」

 バレーボールを題材にした「サインはV」で、スパルタコーチの牧圭介を演じた中山仁(73)はこう言う。むしろ、ヒロインの朝丘ユミ(岡田可愛)を中心に、バレー部員役の女優たちに同情した。

「彼女たちは回転レシーブなどを何度も繰り返す。腕も脚も、あちこちが内出血で紫色になっていてかわいそうだなと思ったよ。それでも牧コーチは『どうした!』とどなるんだから、ひどい役だねえ」

 牧は勝利のために、ひたすら少女たちに教えを説く。今では一般的に使われる「Vサイン」は、このドラマがきっかけだ。それを象徴する牧の名セリフが以下になる。

〈Vというサインはスコアの話ではない。いかにして勝ったか、いかにして戦ったか、いかにして自分に勝ったかの印だ!〉

 東京五輪の金メダルに始まったバレーボールのブームを、さらに拡大したのがこのドラマであった。チームには岡田可愛の他にも中山麻理など個性的な女優がいたが、中山は、ジュン・サンダースを演じた范文雀(故人)を絶賛する。

「骨肉腫で倒れる役柄が視聴者の涙を誘ったけど、彼女の感性は本当にすばらしかったよ。ただ、撮影は女の子ばかりの中にいて男は俺1人みたいなものだから、誰かに気軽に『メシ行くか?』なんて絶対に言えない。それは誤解を招くことになるし、そういう意味では牧コーチと同じだったかもしれないね」

 前述のように撮影は体育館ばかりだったため、大ヒットドラマという実感を味わうことはなかった。どこか消化不良に終わったリメイク版の「サインはV」(73~74年、主演・坂口良子)に同じ役で出演した時、初めて1作目の熱量に気づいたという。

「トランポリンを使って荒唐無稽な技も多かったけど、あれを見てバレーボール人口が増え、今も名作として取り上げてもらえるのはありがたいことだね」

 ドラマが前向きでいられた時代のサインであった。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論