波瑠が主演を務めるNHKの連続テレビ小説「あさが来た」が好調だ。第4週では平均視聴率22.3%を記録し、前作の「まれ」を上回る勢いを見せている。
一方で、各話のストーリーがひんぱんにネットで話題になった「まれ」に対し、「あさが来た」のほうはさほどニュースのネタになることがない。つまり視聴率と話題性が比例していないのである。これは両ヒロインについても同様で、なにかと記事に取り上げられていた土屋太鳳に対し、波瑠が話題になることも少ないようだ。
その理由をテレビ誌のライターは、両作品の視聴者層の違いにあると推測する。
「洋菓子店を舞台にした現代劇の『まれ』は若い視聴者でも共感できる面が多く、ストーリーも恋愛を軸としていたので、土屋が演じるヒロインに若い女性が感情移入しやすかったのです。一方の『あさが来た』は朝ドラ史上初となる江戸時代から話がスタート。ヒロインは商家の娘で、幕末の混乱で商家が倒産して夜逃げといったストーリーは若者向きとは言えません。ただ、朝ドラの人気を支える中高年齢層にはウケるので、視聴率は高くなるというわけです」
どうやら、ドラマの感想をネットで話題にする若者層にとって、「あさが来た」は取り上げづらい題材のようだ。波瑠が演じるのも幕末期の少女のため、その言動やファッションは何の参考にもならず、こちらも話題になりにくい。いまのところ恋愛の要素も薄く、若い女性を取り込める要素がほとんどないのである。
また両作品における共演者の違いも、土屋と波瑠の話題性に差が付く理由になっているという。前出のテレビ誌ライターが続ける。
「土屋の同級生役として門脇麦や清水富美加が出演していた『まれ』に対し、『あさが来た』では宮崎あおいがほぼ唯一の20代女性で、しかも既婚者。そのため若い女性が醸し出すワチャワチャ感がまったくなく、これでは女性視聴者が波瑠を話題にしないのも当然でしょう。逆に言えば、話題性を理由に土屋太鳳が若い女性人気で上回っていると考えるのも早計です」
ちなみに連続テレビ小説はNHK東京とNHK大阪が交互に制作しており、今期は大阪の担当。その大阪制作の作品は「ごちそうさん」や「マッサン」など、ヒロインの年齢が高めになる傾向がある。「あさが来た」もいずれ、女性起業家としてのヒロインを描くことになり、ますます若い女性視聴者は離れていきそうだ。
(金田麻有)