4年ぶりの連ドラ主演で復活を期す香里奈が、その目論見に反していよいよ世間の話題にも上らなくなってきた。11月3日放送のドラマ「結婚式の前日に」(TBS系)第4話は、視聴率5.7%で前回から微減。第2話の4.6%は上回っており、復活の兆しもありそうだが、テレビ誌のライターは話題性に乏しいと指摘する。
「第4話では最低ラインと言われる5%をなんとか死守しましたが、どうせなら3%台くらいに落ち込んだほうが、よっぽど話題になったかもしれません。低視聴率だけど大失敗もしていないドラマが一番、記事にしづらいんですよ。今期は視聴率10%超えのドラマが多く、そっちを記事にしたほうが読者のウケがいいですしね」
これが1年前なら視聴率5%で大騒ぎだったかもしれないが、2.8%を記録した「HEAT」(フジテレビ系)の惨状を知る今となってはまさに中途半端な数字でしかない。一方で前出のテレビ誌ライターはこんな視点も紹介する。
「香里奈の話題が少ない理由には、ドラマ自体が記事にしづらいという面もあります。演技は言うほど下手ではなく、ドラマの出来はそこそこ評価されている。一方で脳腫瘍がテーマのため雰囲気が暗く、ドラマチックな展開も少ないのです。それに対して『HEAT』ではAKIRAの大根役者ぶりや突飛なストーリー展開など、ツッコミどころがたくさんありました。それに比べると『結婚式の前日に』はどうも、安全運転に徹している感があります」
たしかに「HEAT」は視聴率は低くても、振り切っている感にあふれていた。消防がテーマなのに舞台が夏祭りで火事も起きないとか、腹を刺されて重傷のAKIRAが炎の中から人を担ぎだすなど、ネットで話題になるようなエピソードを次々と投下していたのである。視聴者の中には一体どれほど酷いドラマなのかとチラ見し、納得してはチャンネルを変えたという人も少なくなかったはずだ。
それに対して「結婚式の前日に」では、香里奈を女優として盛り立てようという気負いのあまり、炎上しそうな要素を徹底的に排除しているように見える。たとえばベッド写真流布でダウンしたイメージを取り戻すためか、艶っぽい要素は徹底的に排除されているといった具合だ。しかもコミカルな場面も少ないため、視聴者が疲れるドラマになっているのである。
「せっかく結婚がテーマの一つなんですから、ベッドシーンくらいサービスできるはず。そうすれば香里奈本人は吹っ切れているという評判も立つというものです。そういう計算ができないのはテレビ局が悪いのか、所属事務所のせいなのか。せっかく視聴率も瀬戸際で踏ん張っているのだから、実にもったいなく感じますね。まるで、香里奈の“リハビリ”のためだけに存在しているようにすら見えます」(前出・テレビ誌ライター)
このまま低空飛行を続ければ、ドラマの存在自体を忘れられかねない恐れもある。制作側や事務所はここらで、ひと勝負に出たほうがいいのではないだろうか。
(金田麻有)