11月15日にオンエアされた「フィギュアスケートグランプリシリーズ世界一決定戦2015」(テレビ朝日系)。フランスでの同時多発テロの影響でフリー競技は中止となり、代わって放送されたのが選手たちの消息とトップ選手たちの密着映像だった。
「羽生結弦選手のフリープログラム『SEIMEI』の完成への過程も紹介されました。今シーズン、羽生選手が初めて本格的に取り組んだのが曲の編集です。移動中の車の中で、音楽をかけた羽生は何度も同じところで音楽を止めては流しを繰り返し、『ここの部分の尺が長いです。ここが0.8秒くらい違うと思います』と説明したんです」(スポーツ紙記者)
舞踊やスケートなどでは、演技のメリハリに合わせて部分的に、不自然でない程度に曲の長さを調整することがあるという。素人が聞いてもわからないような“曲の間”にこだわって、羽生は「SEIMEI」の音を完成させたのだ。
「昔は音楽と演技の一体化は二の次。音と演技がずれたり、まったく合わなかったりすることも少なくありませんでした。しかし近年の選手は、曲の盛り上がりと演技のメリハリやジャンプのタイミング、細かな演技の切り替えも合わせられる人が多いんです。中でも0.8秒にこだわる羽生選手は、特に音感が優れています。対してライバルのパトリック・チャン選手はその感覚がイマイチ。シーズン後半には調整してくるでしょうが、微妙なずれやメリハリの違いは隠せません」(前出・スポーツ紙記者)
そんな点でも、羽生はライバルより頭一つ抜きん出ているのだ。