◆月の指南「12月の戦略」◆
12月は1年で最も期待できる月。新台入替などはお祭り状態が基本スタンスになります。なぜ12月だけが祭りになるのかというと、これはかつて組合が強かった時代に由来します。
その昔、パチンコは地域組合に加入していなければ営業などできぬほど、地域は力を持っていて、店は「シメすぎ」よりもむしろ、他店を出し抜く「出しすぎ」に気をつけていました。この協定は書面のない、あくまでも「紳士協定」でしたが、前述のとおり効力は絶大。そんな協定を唯一守らなくていい月が、黙っていてもお客が来るこの12月だったのです。
というわけで、12月は店同士が「われこそは」と、出玉の派手さを競う月となったのですが、それも今や過去の話。今ある全国チェーンは、おおむね全てが組合に加入せず侵略しました。そんなチェーン店の猛威に地域組合は滅び、案の定、組合が恐れていた客の奪い合いで弱小店舗から順に廃業して、現在となります。
これら一連を経て「12月は出す」というのが残っているというわけです。こうして文章にしてみると、何かシンミリきますね。
そんな12月の戦略としては「派手さを競う」と読んで、ふだん敬遠しているような旧台のMAX機で大勝負に出るのもありです。
◆実戦指南「スーパー海物語IN JAPAN」◆
気になる歳末商戦用の新台が、いよいよ12月7日の週からリリースされます。メーカーもこの週をメインに据えているようで、パチンコ台だけが11機種も導入となります。
中でも注目は「スーパー海物語IN JAPAN」(三洋)。319分の1のミドルと、239分の1のライトミドルがありますが、お店もユーザーもお目当てはミドルタイプでしょう。
この台は三洋のお家芸である「確変+突確で全体の60%」「出玉ありの大当たりで見れば確変と通常で約1対1」という、遊べる仕様となっています。
遊べるとはいえ、釘が開いた際の爆発力は、十分満足のいく出玉となるでしょう。こちらの機種は新台の中で最も開ける期待が高いと言えます。
この“スー海ジャパン”を軸に、前述のMAX機をチョイチョイのぞいてみるのが賢い立ち回りとなるのではないでしょうか。
ちなみに私は、今からスー海ジャパンの甘デジデビューが楽しみです。こちらは年明けのリリースとなるでしょう。
◆プロフィール 浜田正則(はまだ・まさのり) パチンコ生活歴30年。業界寄りの記述をする「パチンコライター」とは一線を画し、ファン目線で真実のみを文章につづる「ギャンブルライター」として18年目を迎える。漫画の原作者としても活躍しており、作品は多数。