◆よもやま話「旅打ち」◆
今から20年近く前、私は「わっしょい浜田」の名でパチンコ・パチスロ誌の攻略ライターをしていたのですが、ある時、私を含めて3人のライターが旅打ち企画に抜擢されまして。
「パチスロの勝ち金で日本1周する」
「1万円勝たないと隣の県に移動できない」
「スタート時に10万円渡されて、パチスロ以外でお金を足してはならない」
「持ち金が尽きたら終了」
というルールだったのですが、あまりに過酷で、私以外の2人は旅の途中で資金が尽きて、即リタイアしてしまいました。
この時、私はというと、1年かけて完走して優勝。積み重ねた勝ち金は約100万円ほどでした。
◆実戦指南「店に嫌われる立ち回り」◆
当時を振り返ると、何で私だけ勝てたのか理由は明白で、私と他の2人では力の差が歴然でしたね。彼らにすれば、準備万端で挑んだはずが振るわなかったわけですが、彼らの戦法はイベントを追い、雑誌が当時こぞって推奨したリプレイハズシなどを駆使して「計算上負けない打ち方」に徹すること。
一方、私は攻略誌の情報はひととおり押さえていましたが、知識と技術はある程度で十分。それらを踏まえてどう勝ちにいくかが重要なわけで、データを押さえただけじゃ台に詳しい秀才くん止まり。麻雀やトランプなら役と並べ方を覚えた程度にすぎないのです。
博打に限らず勝負の鉄則は、敵の上をいく心理戦にあります。相手の嫌がる攻めをするのが鉄則。パチンコ・パチスロで「勝つ立ち回り」とは、すなわち店に嫌われる立ち回りです。
「なかなか打ち始めない」
「パチンコなら釘のいい台、スロットなら挙動のいい台にしか座らない」
「見切りが早く、ちょっと負けたらすぐヤメて、ちょっと出したらすぐ逃げるので、勝ちが店の宣伝にもならない」
「なのにタコ出しする時はキッチリ最後までいる」
こんな“いやらしい客”となるだけで、勝ちは転がり込んでくるものです。
あらためて脱落した彼らの立ち回りを見てみましょう。イベントをうのみにし、自分の腕を過信して、朝から晩までいる。こうして書き起こせば、彼らが店にどれだけありがたい客であったかがわかります。
私が気をつけていたこれらの注意点は、今のパチンコでも十分に通用する立ち回りですので、ぜひ参考にしてください。
◆プロフィール 浜田正則(はまだ・まさのり) パチンコ生活歴29年。業界寄りの記述をする「パチンコライター」とは一線を画し、ファン目線で真実のみを文章につづる「ギャンブルライター」として18年目を迎える。漫画の原作者としても活躍しており、作品は多数。