12月8日放送のドラマ「サイレーン」(フジテレビ系)にて、松坂桃李と菜々緒が迫真の格闘シーンを披露した。なかでも菜々緒が繰り出した腕ひしぎ十字固めには、プロレスマニアからも絶賛の声があがっているというのだ。格闘技に詳しいライターが説明する。
「最初の十字固めは前転しながら決めるビクトル式で、これはかなり難しい技ですよ。警棒で殴りかかる松坂の右腕を制してヒザ蹴りを入れ、前屈みになった松坂の太ももを踏み台にして背後にジャンプ。肩車の状態から相手の右腕を固めたまま前転するという一連の流れは、おそらく数十回と練習したことでしょう」
そのシーンで松坂が振り回している警棒に注目したのは、ミリタリーマニアのライターだ。警察官が実際に携帯している警棒そのものだというのである。
「これは特殊警棒と呼ばれるもので、伸縮式が特徴です。日本では限られたメーカーだけが製造しており、基本的に市販はされません。劇中では菜々緒が持つ拳銃を叩き落とすために使いましたが、実際の使用も正当防衛時のみと定められているので、菜々緒が拳銃を手にするまで警棒を出さなかったのは法律的にも正しい描写ですね」
その拳銃もまた、ミリタリー好きのマニア心をくすぐる代物だという。前出のライターは米スミス&ウェッソン社「M36」のモデルガンではないかと推測する。
「日本の警察では使われていないモデルですが、実際に警察官が携帯している『ニューナンブM60』や『M360J』と同系列の拳銃なので、違和感はあまり感じません。むしろ格闘シーンの最後で木村文乃が、しっかりと両手でホールドして撃つ姿に好感が持てました。日本の警察ドラマでは片手持ちでバンバン撃つという非現実なシーンが珍しくないですから」
菜々緒の演技が高く評価されている「サイレーン」。その演技を支える演武指導や小物にもこだわることで、ドラマの質を上げているようだ。
(金田麻有)