12月11日からいよいよ始まるフィギュアスケート・グランプリファイナル。グランプリシリーズを勝ち抜いた上位6選手の戦いだけに、レベルはグランプリシリーズより高い。とはいえ、世界歴代最高得点を叩き出した羽生結弦選手にとって怖いものはなし、というのが大方の見解だろう。さらに羽生選手に有利な点があるという。
「今回の会場となるバルセロナは、昨年のグランプリファイナルが行われた会場でもあるんです。つまり昨年のファイナルに出て、しかも優勝している羽生にとっては既知のリンクなんです」(総合誌スポーツ担当記者)
氷の状態は会場によって違い、選手たちは前日や当日の練習で普段のリンクとの違いを把握し、調整して滑ることになる。その意味では、経験済みのリンクは有利だ。
「それだけではありません。羽生選手はプロでもよく聞かなければわからないような、かすかなノイズも聞き分けられる耳を持っています。そんな羽生選手にとっては、会場の音の反響状況を知っている点も強みなんです。ソチ五輪で使われたアイスバーグ・スケート・パレスはかなり残響の強い会場でした。羽生選手は同じ会場で行われた前シーズンのグランプリファイナルに出場し、この残響を体験していたので、五輪では対策を立てて臨めたそうです」(前出・総合誌スポーツ担当記者)
今回のファイナルも、昨年のファイナルでの経験が生きるということだ。羽生選手の3連覇の好条件はそろっている。史上初の3連覇達成に王手がかかっているといっても過言ではないのだ。
(芝公子)