万病の元と言われるメタボ。改善のためには内臓脂肪を減らすこと。油、脂っこい食べ物や炭水化物などに含まれる糖質は元凶だ。ところが、メタボの天敵ともいえる唐揚げやカレーに「あるもの」を加えるだけで、ダイエット効果が現れるという。
その食べ物というのが、フェヌグリークという香辛料。地中海地方原産で、古くから中近東、アフリカ、インドで栽培され、食用のほか、さまざまな治療にも用いられてきた。生のまま噛むと粘液質で、あとから少し苦味が感じられる。油に入れるとすぐに焦げて強い苦味を発するが、上手にローストするとメープルシロップのような甘い香りを発し、アーユルヴェーダ料理には欠かせない。
このフェヌグリークの効果を研究したのが、京都大学大学院農学研究科とハウス食品。その結果、フェヌグリークの摂取により、血糖値と血中中性脂肪の上昇抑制、肝臓への脂肪の蓄積を防止する効果があることが明らかになった。また京都大学の植村卓農学博士も論文「フェヌグリークの肥満に伴う糖、脂質代謝異常改善機構に関する研究」の中で「肥満に伴う糖代謝異常を改善する」と書いている。
フェヌグリークには様々な成分が含まれているのだが、苦み成分であるサポニンの中でも強い苦味があるプロトジオスシンが多く、この成分がメタボリックシンドロームにおける糖脂質代謝の異常の改善に効果があるというのだ。
では、どのように使えばいいのか。料理家でフードコンサルタントの中川孝子氏は言う。
「カレーひと皿に小さじ半分ほどを振りかけるだけ。唐揚げの場合でも、塩・コショウ・フェヌグリークを1:1:1の割合で調合し、ふりかけて食べる。ひと味違ったスパイシーな味わいを楽しむことができます」
フェヌグリークひと振りで美味しい上にメタボ対策にもなる。香辛料専門店やデパートなどで300円ほどで手に入れることができるので、メタボが気になっている方は試してみては?
(谷川渓)