──何とか最下位転落だけは逃れた中日も5位に終わって、45年ぶりとなる3年連続Bクラスとパッとしませんでしたね。
B(夕刊紙デスク) 話題もほとんどないから、ネタ作りに苦労しっ放しだった。ただ、そんなヒマなドラ番記者たちもレギュラーシーズンが終わってから一部の間で「落合博満GM(62)が脱税疑惑で国税局にマークされているらしい」という妙な噂が広まって、色めき立ったことがあったね。結局、これは根も葉もないデタラメだったんだけど、ちょうどこの頃は「野球賭博騒動」が勃発した直後だったからさまざまな憶測も飛び交ったんだ。中日の関係者は「巨人のゴタゴタから目を背けさせるために、何者かがウチとGMに濡れ衣を着せようとして仕組んだワナじゃないか」と推測して、とにかくカンカンだったよ。
D(夕刊紙記者) その一方でリーグ優勝したヤクルトは、最下位に終わった14年から一変。ニューヒーローが注目を浴びて、多くの話題を提供してくれたよね。特に「トリプルスリー」の偉業を達成した山田哲人(23)は大ブレイクした。対照的に、その山田の陰に隠れて“オマケ扱い”された選手もいた。
F(民放局スポーツプロデューサー) ああ、比屋根渉(28)のことか。9月に写真週刊誌「FRIDAY」で山田がキレイどころのオネエちゃんたちと都内某所で合コンしたあと、路上で大はしゃぎする様子が掲載されたんだけど、そこに参加して写っていた1人の男性が目線入りで「友人A」として扱われていた。なんと、その当人が比屋根(笑)! その後、「どうせ俺は有名じゃないですからね!」と自虐的にそれをネタにしながら猛奮起し、シーズン終盤やポストシーズンでもいい働きをしていた。
B チーム内ではこれが「FRIDAY効果」と言われているらしい。そういえば比屋根本人は神宮球場のグラウンドで行われたリーグ優勝のビールかけで「A」というタスキをかけながら泡まみれになって、周囲の笑いを誘っていた。
E(スポーツ紙デスク) こういう伏兵の選手がいいところで活躍したのは、やっぱり選手目線でモノを見ることができる真中満監督(44)の人心掌握術だったと思う。真中監督とは違って広島の緒方孝市監督(47)は何事にも上から目線のシーンが多く、選手からの評判もかなり悪かった。
A(スポーツ紙記者) 選手だけじゃなく各方面から総スカンだった。負けが込んだシーズン序盤は報道陣から厳しい質問が向けられるのを嫌って、試合後の囲み取材は自分で一方的にしゃべるだけで終了なんてことも珍しくなかった。これにはさすがにクレームがつけられ、途中から緒方監督はしぶしぶながら報道陣の質問を受け付けるようにはなったけど‥‥。
D もし黒田博樹(40)が15年からカープに戻って来ていなかったら、と思うとゾッとするよ。投手・野手にかかわらず誰からも慕われる精神的支柱の男・黒田がいたから、緒方体制でもチームは何とか空中分解せずに済んだ。前田健太(27)がメジャーに移籍する16年も、黒田の現役続行はナインにとって何よりの朗報だろう。実際に多くの選手たちから大真面目に「緒方監督に代わって黒田さんが代行監督をやってほしい」という声が出ているぐらいだからね。
──一方、阪神の和田豊前監督(53)は15年限りで退任しました。
F 地味な監督から一変して、16年からは絵になる男・金本知憲監督(47)だからね。二軍の掛布雅之監督(60)との強力タッグになるし、とにかくタイガースは話題の宝庫となりそうだ。でも、金本新監督誕生までは、あまり表に出ていない紆余曲折もあったよね。阪神有力OBのO氏が周囲に対して「次のタイガース監督は間違いなく自分やろ」と球団側からオファーが舞い込むことを自信満々に吹聴しまくっていた。それは一部のトラ番記者たちの間で知られていた話。ところが、まったくお呼びがかからずに赤っ恥をかく形になったO氏は金本監督の就任が発表された直後から一気に不機嫌モードになってしまったらしいよ。