音楽番組に出演するたびに「音痴になった」「下手クソ」「止めてくれ」という書き込みが必ずと言っていいほど、連発されてしまう中島美嘉。
中島は2010年10月に両側耳管開放症の悪化を理由に無期限の音楽活動休止を発表。この病気の症状は耳がふさがれたような感覚になり、音程を正しく聞き取れなくなってしまうというもの。そのため、中島は自分の声がどれだけ出ているのかもわからない状態で歌っているような状態に陥ったのだとか。活動休止から半年後に音楽活動を再開するも病気は完治しておらず、今後も完治することはないという。
「さらに耳が聞こえないのをカバーするため、必要以上に喉を荒く使って声を出していたため、その結果、以前にも増して声が出なくなってしまったそうです。世間ではあまり彼女の病気は認知されていませんし、昨年10月に約2年ぶりに『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演するなど、最近になってテレビ出演も増え始めたことから、やたらと『音痴』などの直球の意見が出てしまったようです。ファンや病気のことを知る人たちがフォローに回るも、その声も行き届いていないのが現状です」(エンタメ誌記者)
もう病気も治らないという絶望的な現実。さらには鳴りやむことを知らない暴言。そんな状況の中でも、中島が歌い続ける理由とは一体何なのだろうか。
「本気で歌と向き合っていこうと本当の意味で復帰したのは活動再開から4年が経ってからだと、以前放送された『アナザースカイ』(日本テレビ系)で語っています。また、『自分の歌にはもともと自信がなかった』と話し、『その代わり伝える自信はあった』と説明。活動再開直後は世間の目が怖かったと話しているが、今では吹っ切れたようにも見えますね」(前出・エンタメ誌記者)
確かにもともと歌唱力があるほうではなかったが、個性はビンビンに伝わったのが中島美嘉。いくら病気とはいえ、「音痴すぎて聴き苦しい」とプロとしての資質を問う声も正論だが、楽な道に走りがちな口パクも多い昨今、自分と闘う意味で生歌で勝負する中島の度胸もなかなかのものだ。
(田村元希)