スポーツ

プロ野球契約更改“怒号と爆笑”の密室舞台裏!(4)「ロッテ監督時代の金田正一がとったある行動」

20160114t

 契約更改は年に1度、球団フロントと意見交換ができる場でもあることから、チームリーダーからの切実な環境改善要求もよくある。このオフもオリックスの選手会長、伊藤光(26)が「試合後に自主トレをする選手が多いが、菓子パン程度しか用意されていない。栄養面でも問題がある。何とかならないか」と、菓子パン廃止を要求。

 もう一つ、よくあるのは、クラブハウス内の風呂の改装である。かつては中日の選手会長だった田尾安志(61)がそれを要求したが、このオフは楽天の則本昂大(25)も、ビジター用のロッカーに風呂を作ることを提案している。

「DeNA・林昌範(32)が、横浜スタジアムのブルペンに夏場にブンブンと飛んでくる虫の駆除を求めたのは珍しい例でしょうね」(球団関係者)

 さて、交渉の場でしばしば問題になるのが、提示する側である球団フロントの暴言や不手際だ。査定担当者に加え、選手のクラスに応じて球団代表や社長までが同席するが、暴言が引き金となって「事件化」したケースもあるのだから。スポーツ紙デスクが明かす。

「何かと問題発言の多かったダイエー(現ソフトバンク)の高塚猛球団代表は、エースの工藤公康(52)に対し、『キミが登板する火曜日は客の入りが悪い』と言い放ちました。激怒した工藤はFAでの巨人移籍を決めたんです。西武では秋山幸二(53)が、清原和博(48)より年俸が低い理由として『キミには清原に比べて何かが足りない』と言われ、翌年発奮したケースもある。近年、代理人交渉も増えていますが、結局は人対人。言葉や感情が交渉の行方を左右させるんですよ」

 あの手この手を繰り出すのは年俸を1円でもアップさせようとする選手側だが、球団も1円でも給料を抑えようと仕掛けてくる。「優勝していないからこれ以上は無理」は常套句。エースや4番の契約内容を伝え、「エースでもこの値段なんだから、キミを上げるとバランスが取れない」と論破するのもよくある手法である。

 15年限りで引退した、3度ノーヒットノーランを逃した男、西武・西口文也(43)は、保留しないことで有名だった。だが、球団側が他の選手に「西口を見習え!」という殺し文句を使い始めたため、若手選手が困惑。「西口さんもゴネてくださいよ」と頼み、西口がチームメイトのために保留をしたこともあったという。

「超ユニークだったのは、73年オフにロッテの金田正一監督(82)が採用した郵便契約更改でしょうね」

 NPB関係者がこう振り返るのは、選手に来季の希望年俸と球団への意見を紙に書かせて、球団に封書で郵送させたというやり方である。

「それを見たうえで球団側は契約更改に臨むわけですが、多くの選手が希望を受け入れられて年俸アップ。実は形として残る文書に高額な数字を書き入れる選手は少なかったからです」

 怒号と爆笑入り乱れる密室のドラマ。今年のオフには、また新たな銭闘が繰り広げられる。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
エスコンフィールドに「駐車場確保が無理すぎる」新たな問題発覚!試合以外のイベントでも恨み節
3
これも「ラヴィット!」効果…TBS田村真子アナ「中日×巨人で始球式」に続く「次に登板するアナウンサー」
4
【高校野球】全国制覇直後に解任された習志野高校監督の「口の悪さ」/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」
5
日本人に大打撃!タイ政府「外国人締め出し」で長期滞在とビザ取得が困難に…そして口座凍結まで