放送中のアニメ「おそ松さん」(テレビ東京系)の映像商品がバカ売れしている。ブルーレイとDVDがアニメ部門の首位に輝き、合計で8万枚に迫る大ヒット作品となっているほか、「おそ松さん」を表紙にした月刊誌「アニメージュ」は完売となる人気ぶりだ。昭和40年代に人気だった古典アニメ「おそ松くん」の続編が、なぜこんなに受けているのか。さっぱり事情の分からないオジサンたちに向けて、アニメ系のライターが解説してくれた。
「人気を支えているのは女性ファンで、主な理由は豪華な声優陣にあります。なにしろ主人公の六つ子を担当する男性声優6人のうち、5人が人気声優ランキングのトップテンにランクインしているほど。しかも20代前半に成長した六つ子は男性アイドルグループをイメージさせ、まさにアニメ界のドリームチームとなっているわけです」
昨年11月には東京・池袋に“おそ松さんミュージアム”が期間限定オープンし、週末には路上に200メートルもの列ができるほどの人気に。この列もほとんどが女性ファンだったのである。またこの1月からは女性コミック誌の「YOU」にて連載が始まるなど、ターゲットが女性であることは明らかだ。前出のアニメ系ライターが続ける。
「コスプレ分野でも『おそ松さん』は人気となっています。衣装は原作でおなじみの学生服風よりも、胸に松の模様が入ったパーカーが好まれており、好きな者同士で色違いの衣装を着て集合写真を撮るのが定番。必ずしも6人そろえる必要もなく、衣装や髪型のハードルが低いのも人気の秘密のようです」
ちなみにイヤミの決めポーズである「シェー!」も健在で、シェーのポーズをあしらったグッズも少なくない。そう聞くと途端に親近感が湧いてきそうなものだが、いま受けているのはあくまで「おそ松さん」のほうであることをお忘れなく。昭和40年代の感覚で「おそ松くん」のウンチクを女子相手に語るのは避けたほうがいいだろう。
(金田麻有)