法律違反の薬物事件で起訴された清原和博容疑者の身元引受人に、複数の人物が名を挙げている。なかでも日本航空学園の梅沢重雄理事長は「今後も野球をやるべき」と明言し、同学園が運営する高校で野球指導者に就くことを想定しているようだ。だが清原が球界に復帰できる可能性は限りなく小さいという。スポーツ誌のライターが解説する。
「2013年の規則改正により、元プロ野球選手が学生野球の指導者になるハードルは低くなりました。プロ側と学生側の研修会を修了し、学生野球協会による“資格回復適性審査”で認定されれば、指導者資格が与えられます。この制度で認定されたプロ野球出身者は延べ850人に及びますが、清原の場合は適性審査に受かる可能性がほぼゼロに近いため、研修会を受けたくても門前払いされるでしょうね」
なぜ清原が適性審査に受からないのか。その理由は、日本学生野球協会が定める日本学生野球憲章を見れば一目瞭然だ。同憲章はいわば学生野球における憲法であり、清原は残念ながら、この憲章が求める条件を満たしていないのである。スポーツ誌のライターが続ける。
「憲章の前文では『教育の一環としての学生野球』がハッキリとうたわれています。薬物事件の当事者が教育に関わることは実際のところありえず、この時点で清原には可能性がないと言えるでしょう。具体的な条文を見ても、第11条の2項では『指導者は、部員に対して、自ら人格を磨き』と定められており、この点でも指導者としての資質に該当しないことは明らかです」
学生野球の指導者に必要とされるのは、ボールを遠くに飛ばす能力や才能ではなく、教育者にふさわしい人格を備えているかどうかにある。その点で清原は自分自身で、自らの可能性をつぶしてしまったようだ。
(金田麻有)