栄光から失墜まで、同時代に最も近い場所で清原容疑者を見続けた男・野村貴仁氏の独占告白が話題を呼んでいる。「球界の番長」というブランドの仮面をかぶり、気弱な本性を隠すようにシャブに溺れた男の苦悩を明かしてくれた。
3月5日、野村貴仁氏(47)からの怒気に満ちた一本の電話で目を覚ました。開口一番、
「清原が取り調べで、俺のことを『許さへん』って言うとるのはホントか!」
と、叫ぶ野村氏。あっけにとられながらも話を聞くと、どうやら怒りの震源は夕刊紙の報道のようだ。慌てて当該の東京スポーツの記事を確認すると、清原容疑者は取り調べ中にタニマチであるX元社長と野村氏の名前が出ると、憤怒の声を上げているという。さらに〈清原容疑者が保釈後、四国のお遍路を再開し、その道中で高知市内の野村氏宅に“お礼参り”をする可能性がある〉といった不穏な声まで掲載されており、これが野村氏の逆鱗に触れたのだ。
「何を許さへんのかわからんけど、清原は冷静な判断もできんのか! 1人で来るか、子分を連れてくるのかわからんけど、1人で来ても99%勝ち目ないぞ!」
こちらが口を挟む間もなく怒りをぶちまける野村氏。あげくの果てに、
「(清原容疑者の)保釈日にこっちから東京に乗り込んだる!」
と、襲撃宣言まで飛び出したのである。
「清原は前に俺にやられたことすら覚えてないんやろ! 99.999%勝ち目なんかないわ。この前、(記者の)○○君もわかったやろ?」
そう、実は記者は高知県で対面取材した際に、野村氏の“攻撃力”を身をもって体験していたのだ。青アザが広がった己のヒザを見つめながら、その言葉に同意せざるをえなかった──。
あの日、訪れた野村氏の自宅には“異変”が見られた。庭のゴミが減り、縁側のいたるところに散らばっていたガラス片も姿を消していたのだ。おまけに、穴が開いてはいるものの、以前にはなかった障子も設置されていた。座敷から現れた野村氏によると、旧知の友人と2人で片づけたという。ただし、ゴミの運搬のために借りた1台の軽トラではここまでが限界だったようで、部屋の中には依然としてゴミ袋が散乱していた。ゴミ問題に関しては、まだ時間がかかるという。
「中身を確認せんと捨てられへん。前に清原がお札ふだをばらまいたようなこともあったしな(お遍路の札が部屋に投げ込まれていたのを、野村氏は清原容疑者の仕業だと証言している)」
野村氏はビールでノドを潤しながら、
「ほんとアイツはアホや」
と、あらためて清原容疑者との思い出を語りだした。
「巨人時代、クスリを調達したお礼のつもりか何か知らんが、ロッカーで自分のサイン入りバットを2本渡してきたことがあったわ」
当時、巨人の花形選手であった清原容疑者の愛用品であれば、ファンならずともノドから手が出るほど欲しい代物だ。しかし、野村氏の目には“無用の長物”としか映らなかったようだ。
「欲しくもなかったから2週間ほど、ロッカーに放置しとった。そしたら清原がブチ切れたんや。『俺のバットを2週間も置いとくヤツはお前だけやぞ!』って。こっちは知らんわって感じや」
清原容疑者といえば、黒い人脈に近づくため、みずからのサインを用いてきた。2月15日に逮捕されたシャブの売人・小林和之容疑者(45)の自宅にも清原容疑者のサインがあったことが報じられている。いわば、自身が親しくしたい人間にしか贈らないのが清原容疑者のサインである。だが、その“愛の証し”の行方を野村氏に問うと、
「どこやったっけ、あれ」
と、言い放つのみだった。