辻仁成がラジオで語った「ドラえもんはフランスで放送禁止」はウソっぱちだった! これは3月2日放送の「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)にてパリ在住の辻が、ドラえもんがのび太をすぐに助ける内容を教育委員会が問題視し、放送がNGになっていると語ったもの。そのため現地ではユーチューブでドラえもんを観る人が多いと説明していた。これに異を唱えるのは海外のアニメ事情に詳しいデジタル系のライターだ。
「フランスでは衛星放送の『ボーイング』でドラえもんを放送していますよ。日本と違って国営放送がメインのフランスでは地上波の選択肢が乏しく、若い世代では衛星放送やインターネット放送の利用率が高いのです。広島のテレビ局が製作している日本紹介番組『Japan in Motion』もインターネット放送で毎週80万人に観られていますね」
フランスには日本のアニメを放送する地上波局もあるが、そこで「ドラえもん」が放送されない理由は単純だ。現地での放映権を持っているのがボーイングの親会社であるTBSヨーロッパ(日本のTBSとは無関係)だからであり、教育委員会の反対というのは事実無根というのが現実である。デジタル系のライターが続ける。
「アニメとは放映権が異なる映画版に関しては、地上波で何度も放送されています。もし教育委員会の反対が理由なら、アニメはダメで映画はいいなんて理屈は通らないはず。辻さんがどこでそんな作り話を耳にしたのか知りませんが、ろくに検証もせずさも事実であるかのようにラジオで語る態度には問題がありますね」
フランスの生活事情は今でも、日本ではあまり知られていないのが現実。それゆえパリに10年以上住み続けている辻の発言は本物の現地事情と捉えられがちだ。ここはぜひ辻に訂正放送の機会を与えてみてはいかがだろうか。
(金田麻有)