清原被告はなぜ後見人の「シナリオ」を足蹴にしたのか。捜査関係者が勾留中の様子を明かす。
「取り調べは午前と午後に分けて数時間行われたが、清原は反省した様子で取り調べに応じていた。ただ、逮捕直後は突然号泣するなど、精神的に不安定な状態でしたね。それでも、出される食事を3食ともペロリと平らげるほどの食欲があり、そのためか、血糖値が900以上にハネ上がったようです」
逮捕直後、港区の自宅マンションから警視庁に移送される前に中野区の警察病院に立ち寄り、持病である糖尿病の検査を受けた清原被告が保釈後に向かったのもやはり、糖尿病専門医のいる千葉県松戸市の病院だった。写真誌記者が言う。
「記者会見こそしないまでも、同じ覚醒剤で逮捕された酒井法子(45)やASKA(58)の時のように頭を下げるパフォーマンスくらいはするかと思ったんですが」
後見人が予言したように、保釈後の清原被告の姿を一瞬でも捉えようと、警視庁前には新聞、ワイドショーなど100人以上の報道陣が集結。その後、清原被告を乗せたワンボックスカーを追ってバイクや自動車など十数台が追跡する様子は、夕方のニュース番組で生中継される大騒動となった。
「清原は逮捕時に4台の携帯電話を持っていましたが、保釈後は外部との連絡を一切、遮断している。唯一心を許しているのが、舎弟のように清原を慕っている六本木のクラブ経営者・X氏です。清原を千葉の病院へ運んだのも、報道陣に大量の焼き肉弁当を差し入れしたのもX氏です。もっとも、清原を社会復帰させるだけのコネと資金力はないようですがね」(写真誌カメラマン)
最後に、後見人はこう言って怒りの警告をした。
「キヨは独居房がつらくて一刻も早く外へ出たかったんだろうな。その思いだけで保釈申請し、大騒ぎを演じてしまった。まったくアイツはアホやと言うしかない。いまだにシャブを断ち切るどころか、この先どうやって更生するかまでは頭が回らない状態なんだろう。このままでは社会復帰など程遠いよ」
今回の大捕物で地団駄を踏んでいるのが、手柄を5課に横取りされてしまった厚労省麻薬取締部(マトリ)。今後、清原事件が契機となり、捜査の対象を芸能、スポーツルートに傾注することになったという。マークする対象として、先んじて報じられている大物ミュージシャンのほか、同じく大御所バンドのボーカル、角界OBの名前がリストアップされている。
「もちろん『クスリにむしばまれた清原は必ず再犯する』と、マトリは尾行態勢を解かず“リベンジ”に燃えている」(捜査関係者)
世話になった後見人に見放され、社会復帰のシナリオの一つをみずから放棄してしまった清原被告は、再び捜査員の監視下に置かれる生活を送ることになる。