NHK朝ドラでヒロインを演じた清純派女優が、過激小説の実写映画化で激しい濡れ場に挑む。8月公開に先駆けて、先行公開する!
作家・瀬戸内寂聴氏が1958年に発表した、“いわくつき”の小説「花芯」。この小説の実写映画化を紹介するにあたって、まずは、その一文を見てみよう。
〈出産のあと、私はセックスの快感がどういうものかを識った。それは粘膜の感応などの生ぬるいものではなく、子宮という内臓を震わせ、子宮そのものが押えきれないうめき声をもらす劇甚な感覚であった〉
美しく艶かしい官能表現が特徴的な作品だが、これにより瀬戸内氏には「子宮作家」という異名が付けられ、5年間も文壇を干されている。
映画化は3月25日公表された。主演は05年放送のNHK朝ドラ「風のハルカ」でヒロインを演じた、女優・村川絵梨(28)。08年のヒットドラマ「ROOKIES」では、紅一点のマネージャー役で好評を博した。
監督は市川由衣(30)のヌード濡れ場で話題を呼んだ映画「海を感じる時」(14年)を手がけた安藤尋氏。女性器を思わせる「花芯」だが、意味するところは中国語の“子宮”ということで、強烈なエロスシーンが拝めることは間違いない。
今作で村川は、夫の上司と禁断の不倫に至る人妻という役柄。体当たりで挑み、バストトップもあらわに堂々たる“艶技”を見せているという。乳首の色は唇の色に近いと言われるが、村川に当てはめるとややくすんだ薄ピンク色の乳首を初出しすることになる。瀬戸内氏も感嘆した美裸身というから、期待は高まるばかりだ。
女優評論家の高倉文紀氏は、村川をこう評する。
「朝ドラ出身だけあって非常に真面目な人柄で、清純なイメージの正統派女優。意志の強そうな目が印象的な美人です。演技力は同世代の女優の中でもトップクラスではないでしょうか」
原作によれば、“ただ存在するだけ”で男を惑わせる独特の色香を放つ女「園子」が、親の決めた婚約者との結婚・出産を経てしだいにセックスの快楽に目覚めていく。そして、夫の上司「越智」と出会い、不倫関係に陥っていく展開だけに、
〈そのキスだけで肉の快楽がもたらす、透明な虚脱状態に陥りさえした〉
〈私の子宮はうめき声を押えきれず、私は快楽の極に待つあの甘美な失神に、夜明けまでに二度もおちいった〉
と、官能描写も満載だ。
しかし、村川といえば、これまでベッドシーンはおろかキスシーンの経験すらほぼ皆無の清純派。演じ切れるのか──。
「演技派ですから、ベッドシーンでの愉悦の表情などには特に期待したいですね。新人の登竜門だった2000年代前半までの朝ドラのヒロイン女優は、どうしても役柄の清純なイメージを引きずりがち。それを打破するという意味で、今後にもつながる作品になると思います」(前出・高倉氏)
公開が待たれる今作。殻を破った“処女”セックスシーンに期待したい。