芸能

名作妖艶シネマ「このセリフが悩ましかった!」(5)「女優を知り尽くした三者」座談会-その2-

20160421v

コトブキ 世代的に僕は若いので、最近の作品でチョイスすると、神楽坂恵(34)ですね。夫となる園子温が撮った「冷たい熱帯魚」(11年、日活)で、凶暴な村田(でんでん)に「脱げよ」と追い詰められ、そのうち殴られて、感じ出して「もっと殴ってください」と懇願。神楽坂の見事なバストもそうですが、夫が妻のそういうシーンを撮るという構図もそそる。

──やはり、妖艶なセリフに胸の大きさは最高のマッチングですね。

秋本 それで思い出したのは、ひし美ゆり子(68)が「新仁義なき戦い 組長の首」(75年、東映)で演じたヤクザの情婦役。

大高 あれは傑作だった。抱かれた男が次々と死んでゆくから「下がりボンボン」と呼ばれている女。

秋本 菅原文太の前で、裸でベッドに横たわり「あんたは前からね、それとも後ろからね?」って迫る。

──死にたくないものだから、誰もがバックでしかやらないとこぼしていましたね。

秋本 ひし美の豊満なおっぱいがすばらしいし、「後ろからね?」と言う時は尻を突き出している。やっぱり、セリフに肉体の露出がプラスされると、説得力がまるで違う。

コトブキ 昭和のエロスを再現したとして、単館系の上映にもかかわらず、かなりの観客を集めたのが「海を感じる時」(14年、ファントム・フィルム)の市川由衣(30)ですね。

──かつてのアイドルが、本格的な濡れ場に挑んだと話題になりましたね。

コトブキ 完全なヌードを見せたし、恋人(池松壮亮)に対して「私、してくれなきゃ帰れない」と口にする。男の気持ちが冷めつつあるのを、体でつなぎ止めようとするセリフでした。

──今の世代の女優だと、二階堂ふみ(21)も評価が高いですね。

コトブキ 父と娘の禁断の愛というテーマに挑んだ「私の男」(14年、日活)ですね。父(浅野忠信)に向かって「お父さん‥‥しよう」と言うセリフは有名だけど、それ以上に「あの人は心が欲しいんだ。だからあげたんだ」という立場の逆転を表す言葉。ゾクッとしましたね。

秋本 イメージを一新させたという点では吉本多香美(44)もすごかった。ソープ嬢に扮した「皆月」(99年、日活)は忘れがたい。

──北村一輝にサラダオイルを塗りたくられて、アナルを犯される伝説の場面がありました。

秋本 セリフとしてはソープの客として知り合った奥田瑛二との濡れ場がいい。正常位で交わりながら「キスして、かき回して!」と絶叫。最後に奥田が再びインサートしようとすると「私を捨てちゃイヤだよ」と泣き出すセリフもリアルに響きましたね。

──ただ脱ぐだけではなく、脚本の質に左右されますね。

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