巨人にはもう一つ、懸念材料が横たわる。週刊アサヒ芸能で何度か報じた、原政権時代に信頼を得て「陰のフィクサー」となっていたメディア関係者、X氏の存在である。原辰徳前監督(57)の懐刀となってさまざまなアドバイスを与え、トレードの根回しや他球団との接触も行ったとされる。球団外の人物が編成にも深く関与し、力を持つことを球団フロントは問題視したが、原前監督の退任とともに、X氏の影響力を排除できたと思っていた。ところが──。
「かつてはウェブサイト作成を手伝うなど、高橋監督とも蜜月関係を持っていたX氏ですが、いつしか関係は薄れたように思われました。ところが昨シーズン終盤、グラウンド上で高橋監督に何やら耳打ちするX氏の姿が目撃され、衝撃が走ったのです」
渋い表情でこう語るのは、巨人の内情を知る球界関係者である。
「今年1月の新人合同自主トレに巨人番ではないX氏が姿を見せ、ジャイアンツ球場の関係者席にドカッと腰を下ろすと、腕組みしながら練習を見守ったんです。球団スタッフが青ざめていると、やがて高橋監督のマネージャーと談笑する光景まで見られました。これに『どういうことなんだ。大変なことになるんじゃないか』と声を荒らげる球団スタッフもいました」
高橋監督のマネージャーはマスコミ出身で、かつてはX氏から指南を受ける立場だったという。球界関係者が続ける。
「今季も東京ドームでの連戦に一度は顔を見せるなど、X氏は高橋監督を見守っている。こうした状況を知る球団関係者らは『もしかすると、裏で(高橋監督と)連絡を取り合っているのでは。球団は把握しているのか』と心配しています」
青年監督はこうした問題をどうさばくのか──。
パ・リーグに目を向けると、圧倒的な戦力を誇り、ほとんどの評論家が優勝を予想したソフトバンクが苦しんでいる。昨季31本塁打の李大浩がメジャーに移籍した穴が埋まっていないのだ。しかも、トリプルスリーの柳田悠岐(27)が徹底マークにあって空回り。四球だけは記録的なスピードで増産しているが、打てないストレスが打撃を狂わせているようである。おまけに、バリオス(27)、五十嵐亮太(36)、森唯斗(24)の中継ぎ陣が崩壊。だが、そこは金満ソフトバンク。早くも水面下で新外国人獲得の動きがスタートしている。
「ソフトバンクはチーム単体で黒字経営です。孫正義オーナーは『利益は全部、補強につぎ込みなさい。それがファンへのお返し』とゴーサインを出し、フロントは大きな予算を持って、大砲とセットアッパー候補の調査を始めました。メジャーの開幕ロースターから落ちた選手が狙いでしょう」(福岡マスコミ関係者)