寛平はなぜ現金を渡したのか
服部容疑者が出したとされる脅迫文には、
〈日に日に、この手でおまえ(寛平)のクビを締め付けたくなる自分が恐ろしい〉
という恨み言とともに、次のような文言があったという。
〈760万円の借金のうち、返済された400万円を除く360万円を返してくれれば、(交友関係を示す)証拠はすべて返す〉
寛平が服部容疑者に渡した400万円は借金の返済だったということなのか。それとも、寛平が服部容疑者と関係を絶った06年に大金を渡したということは、「手切れ金」の類いなのか。
前出・捜査関係者によれば、2回に分けて200万円ずつ渡されたという。
はたして、この400万円はどんな意味合いを持って渡されたのか。
本誌はよしもとクリエイティブ・エージェンシーに、前章の“カチコミ”事件と不可解な400万円の支払いについて、説明を求めた。
しかし、次のような答えが返ってきただけだった。
「いずれも、府警の捜査中の事件に関わる事案ですので、捜査に影響を与える可能性があるため、回答は控えさせていただきます」
今回の恐喝未遂事件を報じたメディアの中には、所属事務所も大阪府警も寛平と服部容疑者の間に借金はなかったとしている。とすれば、寛平が渡した400万円は返済ではなかったことになる。
もし「手切れ金」であったならば、ヤクザと知ったのと同時期に、現金を渡したことになる。とすれば、違法ではないものの寛平の道義的責任が問われかねないだろう。
前出・捜査関係者もこう話す。
「借金について、寛平は若い時分に、服部容疑者から100万円の融資を受けたことがあると言うとる。これは、とうに返済しておって、債務は残っとらん。この400万円についても、『恐喝ではなかった』と説明しとる。06年6月には、服部容疑者は組織から除籍となっとるから、寛平に会うた頃は、金に困っておったんやろうな。大方、寛平に金を無心して、寛平も身から出たサビという思いもあって、現金を渡したんと違うか」
芸能人とヤクザとの交際がご法度であることは、紳助騒動以前から常識であった。寛平にしてみれば、消したつもりでいたヤクザとの関係が、仇となって表面化したのかもしれない。