スポーツ

モハメド・アリ 日本にと轟いた「ザ・グレーテスト」秘話!(3)あのテーマ曲はアリから贈られた

20160623u

「実はね、合意していたエキシビションマッチは韓国内で行うことを計画していました。やるかやられるかの殺伐とした試合ではなく、自由にやらせてあげたかった」(新間氏)

 ところが、猪木戦を終えたアリの体は、すでにボロボロだったという。

「アリはね、ファンが見ているところではしっかり歩いていたんだけど、エレベーターの中では足を引きずっていて、悲惨な状態でした。その証拠に帰国後、血栓症を患って、入院しているんです。一方の猪木さんだって、アリのパンチが顔面をかすっただけで腫れ上がっていましたよ」(坂口氏)

 結局、2人の再戦が実現することはなかった。

 それでも、世紀の試合で肌を合わせた2人はあの一戦でわかり合えた。その後、猪木とアリは急接近。誰もが知る猪木のテーマ曲「炎のファイター~INOKI BOM-BA-YE~」はアリから贈られたものだ。

 90年の湾岸戦争時に猪木がイラクに渡って日本人の人質解放を交渉した際も、米国人の人質解放で成果を上げていたアリがフセイン大統領に口添えをしていたことが功を奏したという。

 95年には猪木がプロレス興行を推進して北朝鮮で開催されたイベント「平和の祭典」に出席するため、アリもピョンヤンを訪問した。

「とはいえ、パーキンソン病を発症し、アリは車椅子の痛々しい姿でした。でも、義理堅い人でね。人種差別の問題に敏感で、しかも信念があったから、喜んで出席してくれた」(坂口氏)

 99年、猪木の引退試合にも、アリは当然のように顔を見せている。

 40年前の調印式では、猪木の突き出た顎を揶揄し、

「ペリカン野郎、今すぐ叩きのめしてやる!」

 と挑発したアリだが、その後の人生では折に触れて、猪木との交流を深めていたのである。

 坂口氏が感慨深げに語る。

「3年くらい前にアリ戦のDVDが出たんですよ。それをあらためて観戦したんですけど、まさにガチンコで迫力がある。当時、何も知らない世間は凡戦などと評しましたが、15R、互いに一瞬のスキもなかった、語り継ぐべき名勝負だったと思いますね」

 蝶のように舞い、蜂のように刺す! 偉大なボクサーに合掌。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
3
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏
4
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」
5
ミャンマー震源から1000キロのバンコクで「高層ビル倒壊」どのタワマンが崩れるかは運次第という「長周期地震動」