暑さは様々な症状を引き起こす。その原因の多くは脱水症状。なんと、寒い冬の病気だと思われている脳梗塞も夏に多発する。原因は脱水症状であり、その予防には「水ゼリー」がいいという。
日本人の死因ワースト3のひとつに挙げられている脳梗塞(脳卒中、脳血管障害のひとつ)だが、国立循環器病研究センターの調査で、冬だけでなく夏に多発することがわかった。脳神経に詳しい医療ジャーナリストの田中恵子氏が解説する。
「冬の脳卒中はくも膜下出血が多いのですが、夏は脳梗塞が増加します。原因は暑さ。汗をかくことで体内の水分が不足する。すると血液が濃くなり、脳血管が詰まりやすくなる。脱水症状からくるものです」
そしてもうひとつ、エアコンも原因なのだという。エアコンが効いている部屋にいると体の表面温度が下がりすぎ、体内の水分が飛んでしまうのだ。
「喉が渇いていなくても、夏場は特にこまめな水分補給が必要なのです」(前出・田中氏)
成人が1日に必要な水分量は、体重1キログラムにつき50ミリリットルと言われている。厚生労働省によると、食事や体内の代謝で約1.3リットルは補給できるというから、体重60キロの場合、必要な水分の補給量は1.7リットル。夏場はもう少し必要になる。しかし、なかなか2リットル近くの水分補給は難しいかも。
では、どうするか。そこで「水ゼリー」である。しかもダイエット効果もあるというものだ。フードコンサルタントで栄養士の小林久美子氏が、簡単にできる作り方を教えてくれた。
「水とゼラチンで作るのですが、ゼラチンの代わりにアガー(海藻の抽出物などをベースとした凝固剤)がオススメ。ともかく美味しくできます。用意するのは水400ccとアガー小さじ2杯。鍋にアガーを入れ、水を注いでよくかき混ぜる。中火でかき混ぜながら、沸騰後に火を止め、容器に流し込む。これを冷蔵庫で冷やしてできあがりです」
アガーは大手スーパーやネット上で買える。食べる時に黒蜜やメープルシロップ、あるいは上等の味醂をかけると、上品なスイーツにも化ける。ぜひ、お試しあれ。
(谷川渓)