歯周病患者が同時に心臓疾患も患っているケースが非常に多いという。しかも重度の歯周病患者は、脳卒中や心臓発作を起こす危険性が2倍だともいうのだ。予防はしっかりした歯磨きだ。たかが歯磨きと侮ってはいけない。
アイルランドのダブリンで開かれた一般微生物学会の会合で、口内の衛生状態が悪いと、心臓発作や脳梗塞のリスクが高まるとの研究結果が発表されたが、これを裏付けるように日本臨床歯周病学会は機関誌でこのように述べている。一部を引用させていただくと、
〈歯周病原因菌などの刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が出来血液の通り道は細くなります。プラークが剥がれて血の塊が出来ると、その場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。脳の血管のプラークが詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まる病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になりやすいと言われています。血圧、コレステロール、中性脂肪が高めの方は、動脈疾患予防のためにも歯周病の予防や治療は、より重要となります〉
また、口の中が汚いとアセトアルデヒドという発ガン性物質である細菌が発生し、これが体内に飲み込まれる時に食道を刺激して食道ガンの原因にもなる、とアメリカで発表されてもいる。
日本人の成人の約80%が歯周病という。たかが歯磨きと侮ってはいけない。歯の健康が、全身の健康を支えているのだ。しっかりと歯磨きをすることに尽きるが、「歯磨きの苦手な人は電動歯ブラシを使うと良い」(東大阪市「芦原クリニック」の芦原昭院長)そうだ。