スポーツ

リオ直前!あの「五輪ヒロイン」が語る灼熱の激闘秘話!(3)「柔道・山口香<ソウル>」

20160804i

 日本のお家芸ではあるが、五輪の女子柔道の歴史は意外に浅い。昭和最後の開催だった88年のソウルが初採用で、先陣を切ったのが山口香(51)だった。

──初回のみ公開競技ながら、ソウルで女子柔道が五輪の歴史に加わりました。

山口 その代わり‥‥というわけではないけど、男子の「無差別級」がなくなったの。

──駆け引きですねえ、日本の伝統種目を1つ失ったとは。それでも、女子柔道が始まったことは、現在までのメダルラッシュを思えば正解です。

山口 女子の競技数って、今でこそ男子と差はないけど、どれも歴史は浅いの。ロスでマラソンとシンクロ、ソウルで柔道、アトランタでサッカー、アテネでレスリングが始まった形ね。

──スポーツの世界は“男尊女卑”が長かったんですね。さて「女姿三四郎」と呼ばれ、世界選手権を初めて女子で制したのが山口選手。84年のウィーンで、52キロ級で快挙を達成。

山口 私は小さい頃から男子を相手に練習してきたからね。そういえば「女三四郎」という言葉も、私以降はいないと思わない?

──確かに谷亮子の出現以降は「第2のYAWARAちゃん」という表現が多いかもしれません。

山口 だったら私が独占しちゃおう(笑)。

──あっ、アテネと北京で63キロ級の金メダルに輝いた谷本歩実も「女三四郎」でした。

山口 谷本か、ああいう華のある選手がなかなか出てこないのも寂しいね。

──さて記念すべきソウルですが、女子は5人の選手が出場しました。

山口 佐々木光の金メダルを筆頭に、女子は5人全員がメダルを獲ったのよ。ただ、この大会では男子が不調で、特に中量級までが、期待された選手がことごとくコケて‥‥。最後に斉藤仁さんが95キロ超級でようやく金メダルだったけど、それでもムードは“お通夜”みたいだったわね。

──女子が健闘しても?

山口 まだ公開競技だし、男子は背負ってきたものが違うから。これがオリンピックなんだなって思った。

──ところで「女三四郎伝説」として、計量でリミットを超えると、全部脱いで臨んだという話がありますが。

山口 うん、1回だけね。まあ、脱いでも減るものじゃないしね(笑)。女子のアスリートにとっては「17歳の壁」というのがあるのね。ちょうどその頃に女性の体になろうとして、競技には邪魔な脂肪がついてくる。それをコントロールするのも女子の仕事なの。

──よくわかりました。さて、現在は母校の筑波大学で体育系准教授として活躍されています。以前は同大の柔道部女子監督もされていましたが。

山口 今も副部長の籍はあるけど、指導は監督に任せている。ただ、私からずっと続いていた五輪の出場枠が、今回はついにとだえてしまったの。それはゆゆしきことで、今からハッパかけてますよ。次の東京五輪には必ず出せと。

──女三四郎の目に戻っていますね(笑)。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<中年太り>神経細胞のアンテナが縮むことが原因!?

    加齢に伴い気になるのが「中年太り(加齢性肥満)」。基礎代謝の低下で、体脂肪が蓄積されやすくなるのだ。高血圧や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病に結びつく可能性も高くなるため注意が必要だ。最近、この中年太りのメカニズムを名古屋大学などの研究グル…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<巻き爪>乾燥による爪の変形で歩行困難になる恐れも

    爪は健康状態を示すバロメーターでもある。爪に横線が入っている、爪の表面の凹凸が目立つようになった─。特に乾燥した冬の時期は爪のトラブルに注意が必要だ。爪の約90%の成分はケラチン。これは細胞骨格を作るタンパク質だ。他には、10%の水分と脂質…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

注目キーワード

人気記事

1
巨人「田中将大を獲る」阿部慎之助監督が語った「理由」がなんだかおかしくないか
2
番組出演本数が減少の一途…オードリーの影が薄くなった「使い勝手」問題
3
「人としてどうなんだ、お前!」高木豊が上沢直之の「胸ぐらをつかんで」ソフトバンク移籍に喝!
4
「巨人・田中将大」誕生で上原浩治が疑問視する「阿部慎之助×桑田真澄」チーム方針の齟齬
5
水前寺清子「好きになったのはやっぱり西郷輝彦さん」/テリー伊藤対談(2)