芸能

「消えた主役」名作ドラマ・映画の知られざる“交代劇”(7)伊藤かずえはプロデューサーに自ら提案したが…

20160915s

 アサヒ芸能におけるインタビューの合間に、本題とは別に「実は〇〇の役って‥‥」と切り出した有名人たち。その意外な裏話を、よりどりでセレクション!

「杉浦幸ちゃんが主演でデビューした『ヤヌスの鏡』(85年、フジテレビ系)ってドラマあったでしょ。実はあれ、原作のマンガを見つけてプロデューサーに提案したのも私だったの」

 大映ドラマの常連女優だった伊藤かずえは、そんな秘話を明かした。プロデューサーは「多重人格」というテーマにドラマ化を決定したが、主演を直訴した伊藤の意見は却下。

「ただ、同じ年の秋から『ポニーテールはふり向かない』(TBS系)で初めての主演にしてくれたけど、それでも悔しかったな」

 女の意地である。さて、異色のホームドラマだった「寺内貫太郎一家」(74年、TS系)は、作曲家の小林亜星を主役の貫太郎に起用して話題となったが、

「最初に白羽の矢が立ったのはフランキー堺さんで、次はドリフターズの高木ブーさん。ところが、どっちも忙しくてオファーを断った。プロデューサーがいろんな人に声をかけて、最後に候補になったのが僕。あの頃、110キロはあったから体型は問題ない」

 小林が懐かしそうに言った。もっと意外なのは、甲斐バンドの甲斐よしひろに「太陽にほえろ!」(日本テレビ系)で刑事役のオファーがあったことだ。本誌のテリー伊藤対談(14年)で、甲斐はこう明かした。

「79年に『HERO』がヒットしたあと、清水欣也プロデューサーが俺たちのツアーまでずっとついてきた。俺はタッパがないから無理って言ったんだけど、それでもかまわないと」

 当時、ナンバーワンのコンサート動員を誇った甲斐が役者に転向することはなかったが、後年、世良公則が「ボギー刑事」として、その依頼に応えている。

 傑作映画「蒲田行進曲」(82年、松竹)の銀ちゃん役で風間杜夫は一躍、時の人となったが、別の人選があった。

「新聞で『銀ちゃんに松田優作』と発表されました。ところが、優作さんが辞退したため、その翌朝につかこうへいさんから『銀ちゃんはお前がやるから』って言われ、同時に『お前の人生が変わるぞ』とも」

 今年、デビュー50周年を迎えた荒木一郎は「仁義なき戦い 代理戦争」(73年、東映)に出演の予定があった。ところが、話が食い違っていた。

「俺は精神的な病気を抱えていたから、京都の撮影所までは自分の車で行くけど、ロケはお断りって言ってたの。ところが、広島ロケがあるって聞いて、じゃあ話が違うよと降りた」

 代わりに抜擢された川谷拓三が、ここから急成長している。その「仁義」と並ぶ菅原文太の代表作は「トラック野郎」(75年、東映)だが、第2作のマドンナにあべ静江が出演。

「ところが私、同じ時期に『男はつらいよ 葛飾立志篇』(松竹)からもお声がかかったの。それでもウチのスタッフは東映ファンばかりだから、迷わず『トラック野郎』を選びました」

 あべの代わりに「寅さん」に出演したのは、73年の新人賞を争った桜田淳子だった。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
2
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
3
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論
4
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き
5
世間はもう「松本人志」を求めていないのに…浜田雅功「まっちゃん」連呼のうっとうしさ