対立候補者の玉木氏をサポートする、民進党関係者はこう話す。
「告示日の直前まで推薦人20人を集めて奔走している玉木さんが蓮舫さんとバッタリ会ったら、『出馬、待ってるよ!』と上から目線で声をかけられたんです。それなのに蓋を開けてみたら代表選の話題は二重国籍ばかり。『身体検査』ぐらいしっかりしろと有権者に怒られてもしかたありません」
それでも代表選では、蓮舫氏も参加するグループ「花斉会」のリーダー・野田佳彦前総理(59)や、細野豪志元環境相(45)らが蓮舫氏支援を表明。9月7日の読売新聞によれば、代表選の投票資格を持つ国会議員147人の動向を調査した結果、実に4割強が蓮舫氏の支持をすでに固めていた。一歩リードの中、与党・自民党は「二重国籍」について静観の構えを見せていた。
「正直、このまま蓮舫氏が当選すればいいと思っていました。そうすれば国会で追及する材料になるので」(自民党中堅議員)
新代表として試練が待っている蓮舫氏だが、本人が危機意識を持っているかというとそうでもないようだ。民主党時代の政権運営に失敗した負のイメージが拭えない中、“民進党は変わった”ことをアピールするため、こう意気込んでいるという。
「40代の私が党の顔になって、世代交代の象徴になりたい!」
実は蓮舫氏は、これまでにも“権力”への野望をのぞかせたことがあった。
14年12月に行われた第47回衆院選挙で民主党が敗れた際、代表の海江田万里氏(67)の後釜として出馬の意欲を示していたのだ。この時は岡田氏が出馬を表明すると、すぐに断念して応援に回っている。
先の東京都知事選挙でも、早くから蓮舫氏の名前が候補にあがっていた。
「出馬すれば勝てる見込みが強いので、党内で蓮舫氏を推す声がありました。本人も小池百合子氏(64)に対抗心を燃やし、『私が打ち負かす』と周囲に語っていたんです」(政治部記者)
それに待ったをかけたのは、野田氏だった。東京新聞編集委員の五味洋治氏はこう話す。
「出馬を表明するのか、ギリギリまで迷っていた時、野田さんに『都政に行って遠回りしなくていい。今度の代表選に出れば、絶対に当選できるから』と説得されました」
その一声ですぐさま、気持ちを国政に切り替えたという。「女性総理」の実現に向けて、参議院から衆議院への鞍替えさえも考えているようだが‥‥。
「13年に引退した小宮山洋子元厚労相(67)がいた東京6区を狙っていたのですが、民維合併で旧維新の現職がいるため、鞍替えの候補先が埋まってしまったんです」(前出・政治部記者)