10年ぶりに「極楽とんぼ」がコンビ復活──。9月10日、加藤浩次(47)と山本圭壱(48)は、宮城県仙台市で復活ライブツアーの初日を迎えた。06年7月、山本が「未成年者への淫行事件」で吉本興業を解雇されてから3707日目のことだった。ところが、この復帰劇、誰の目にも前途多難な船出に映るのだ。
復活ライブで披露されたのは、新作コント8本。会場を埋めたファン300人の笑いを誘った。ツアーは10月23日の札幌公演まで、全国16ステージに及ぶ。スポーツ紙記者が話す。
「加藤が朝の帯番組『スッキリ!!』(日本テレビ系)の司会を務める中、多忙なスケジュールの合間を縫って250時間以上も練習を積んだそうです。加藤は『全国を回って、そこからちょっとずつ2人でできる仕事を増やしていきたい』と話していますが、前途は明るくない。すでにテレビ局は視聴者やスポンサーの反応に及び腰で、バックアップを期待できませんからね」
今回の謝罪ツアー構想は、7月30日に放送された「めちゃ×2イケてるッ! 夏休み宿題スペシャル」(フジテレビ系)の中で明かされた。この放送に山本も10年ぶりに出演し、視聴者に向けて謝罪。スポーツ紙記者が続ける。
「今年の最高タイとなる平均11.9%の視聴率をマークし、ネット上で『加藤の男気に感動した』『山本を許してやってもいいのでは』と好意的なコメントが相次ぎました。ところがこの山本出演を受け、番組スポンサーだった日清食品が契約解除を申し入れたのです」
有力スポンサー側の異例な対応について、広告代理店関係者が解説する。
「山本の出演について、『10年前に事件の当事者間の和解も済み、逮捕もなく不起訴処分だったことに加え、本人が10年間の謹慎という社会的制裁を受けていると判断した』とテロップが流れましたが、視聴者の目には強行突破に見え、不快感を覚えた人も多かった。世間一般には異論もあるし、あの事件の前にも女性問題で不祥事を起こし、ダークなイメージもつきまとう。スポンサー側はそういう声にナーバスですから」
それは日テレの対応を見ても明らかだ。同局局員が困惑気味に明かす。
「今回の復活ライブツアーは情報番組でさえ、ほとんど報じていない。現場サイドで自主規制している状況です。今の視聴者は不倫さえも手厳しい。『笑点』の圓楽師匠にさえ、『なぜ、親子だんらんの時間帯の番組に不倫男を出演させているのか』と厳しい意見が寄せられるほどです。そのうえ、ライバル番組の『とくダネ!』(フジ系)や『モーニングショー』(テレビ朝日系)と熾烈な視聴率争いをしているだけに、司会者のイメージに気を遣う。だから局幹部は『“朝の顔”という立場を考えろ!』『もう(山本とのライブは)やめてくれ』と怒り心頭です」
加藤の地元、北海道のテレビ局幹部が話す。
「加藤は今年7月から出身地である小樽市の『小樽ふれあい観光大使』になっている。無報酬の名誉職とはいえ、地元での仕事を広げる狙いもあるようです。ただ、地元のテレビ局はバックアップに消極的。『今になって地元を意識されてもねぇ』と渋い顔です。同じ北海道出身のタカアンドトシのように、地元ファンの熱気もないですし」
一方の山本は、現在は宮崎県宮崎市のコミュニティFMで毎週金曜日にDJを務めるぐらいだ。芸能ジャーナリストによれば、
「山本はこの10年間、地元の広島や宮崎で過ごしていましたが、時には広告塔のようなこともして、悪いイメージが流れたこともある。まずはしっかりと所属先を決めてからでしょう」
確かに今回の全国ライブツアーは加藤の所属先の吉本興業が主催だが、山本との再契約の話は聞こえてこない。かつて山本が所属したよしもとクリエイティブ・エージェンシーに問い合わせると「復帰予定はありません」と、そっけない回答だった。
加藤のもくろみや、いかに。