風呂屋やプールに行けない
ロンドン五輪を控えた大事な時期に、まさか信頼していた父親に足を引っ張られるとは想定外だったことだろう。
そんな状況下でも、理沙子は歯を食いしばって、今はメダル獲りに向かって邁進している。アマチュアスポーツ担当記者は理沙子をこう評する。
「大学では学業と練習漬けで、ショッピングを楽しんで着飾ったりお化粧をしたりという時間もない多忙な毎日です。だから今風のあか抜けた雰囲気はないのですが、目は切れ長の和風美人で、競技をしている姿は凛としていて、まさに美少女。自己主張は強くないし、人見知りするようなところはあるけど、本当に努力家で性格もいい。父親の厳しいしつけのおかげだと感心していたんですけどね‥‥」
父・徹は現在、「懲役2年」の実刑で関東地方の刑務所に服役しているという。
それにしても、「実刑」とはよほどの行為に及んだ重い量刑のように思えるが、日大名誉教授(刑法)の板倉宏氏はこう解説する。
「『準強制わいせつ』ということですから、抵抗不能状態となった被害者の体を触るなどの犯罪で、強姦や強姦未遂ということではないです。最近は厳罰化されていますから、2年といってもさほど驚きはしません。ましてこの方に前科があるのであれば、なおさらです」
そう、徹には前科まであったようだ。
およそ20年前、仲間と3人でドライブ中の少年ら4人に因縁をつけて、暴力行為と傷害の疑いで逮捕されたと当時の新聞でも報じられている。
そして、若い頃の粗暴な性格は抜けきれていなかったようで、格闘技界でも一部でよろしくない評判が立っていた。
「あの人は全身に本格的な彫り物が入っていて、昔はヤンチャだった様子がまるわかりでした。実際に怖い思いをした同競技の協会関係者もいたと聞いています。何でも徹さんとの間でトラブルが発生したそうです。すると、徹さんと親しい協会関係者が相手に『原田は風呂屋やプールには行けない怖い人なんだから』と、遠回しに言うとおりにしろというようなことを伝えてきた。そればかりか、そのあとには直接本人から電話がかかってきて、『さらってブッ殺してやるぞ!』と凄みをきかされたといいます」(格闘技関係者)
そんな父親がよりによって、娘の五輪という夢、大舞台を前に、またもや不祥事を起こしたのである。
先とは別の地元マスコミ関係者が話す。
「地元の市役所や体育協会は理沙子選手には同情的なんですが、『せっかく地元からヒロインが出るのに水を差された』と落胆ムードに包まれています。主要駅や市役所に横断幕や垂れ幕を出し、広報誌でも取り上げたいけれど、父親のことをほじくられないために自粛する方向になっているんです」