総会では怒号が飛び交った
6月23日、同競技の協会が催していた総会の席で、あわや乱闘寸前の事態が起こったという。
「コノヤロー、テメー!」
「やんのか!」
誰が何をしゃべっているのかもわからないほどの怒号が飛び交う異常な光景で、理沙子を指導している大学の監督が、黙って下を向いたまま涙をボロボロと流してその場から退席する一幕まであったそうだ。
総会で一部始終を目撃した協会関係者が明かす。
「総会が終わる頃を見計らって、以前から現全日本協会の会長に不満を持っていた一派が、会長に辞任を要求する内容の文書を参加メンバーたちに配付し始めたんです。そこには、会長が隠ぺいしてきたとして原田徹が犯した事件の内容が記されていた。会長はその文書を握りしめるやクシャクシャに丸めていましたね。監督が泣いたのは、事件が公になることで、必死で練習してきた理沙子のロンドン内定が取り消されるような最悪の結末を想像したからではないでしょうか」
本誌も「○○会長(文書では実名)の辞任要求について」と書かれた、その文書を入手した。
文書によれば、作成者は今年5月18日に発送された総会案内の往復ハガキに、原田徹が会長を務める、静岡県協会が協会を退会したことが記してあったことに不審を募らせたという。娘が五輪に出場する直前に退会するとは、不自然極まりないからだ。
そして調査すると、一部の協会メンバーだけが把握していた徹の準強制わいせつ事件が今になってわかったというのである。
「全日本協会の会長を糾弾する一派が言うには、事件が発覚した時点できちんとJOCに報告をしないような隠ぺい体質では、選手をきっちり管理し、守ることもできないというわけです。まして現協会の体制下では不祥事が頻発していますから」(前出・協会関係者)
今年に入ってからも5月に長崎県協会の理事長が乗用車で衝突事故を起こしたあげく、11年間も無免許運転だったことが発覚。ほかならぬ会長自身にもJOCから交付されるコーチへの謝礼金を不正受給しているとの疑惑が持ち上がっていて、JOCが調査を進めているところでもある。