一口馬主になっている、都内の会社員が言う。
「好きな馬ができたら、こだわってみることですね。僕が知るかぎり、当たりを引くのはこういう傾向の人が多い。僕はチャンピオンズカップ(GI)を勝ったサンビスタを持っていましたが、理由は母ホワイトカーニバルが好きだったから。重賞も勝った芦毛馬ですがその子が募集されるというのでユニオンオーナーズクラブに入った。募集価格1470万円(総口数200)でしたが、3億8000万円近く稼いでくれました」
一方でこの会社員は、良血馬に目を奪われ、安易に手を出してしまうことは避けるべきだとも忠告する。
「血統のいい馬は確かに走る確率は高いです。でもその分、価格も高い。重賞をいくつか勝ってくれればいいですが、現実的にそんな馬が何頭もいるわけではない。特にいけないのは、よく走っている馬の下(全弟など)に飛びつくこと。オルフェーヴルの全弟アッシュゴールドは1億8000万円で募集され完売しましたが、いまだ1勝止まり。血統評論家が募集カタログで書いているのもいいことばかりなので、全てを鵜呑みにしないことです」
「馬は血で走る」と言われるので血統にこだわるのは当然なのだが、そこには冷静な判断力も必要なのだ。
さらに注目すべきは、馬がどこの厩舎に預けられるか、である。馬主クラブ関係者が言う。
「二線級以下の騎手を乗せ、成績が低迷している厩舎に預けられる馬を選ばないこと。そうした厩舎はスタッフも優秀ではなく、馬の扱いがよくない。あるいは、例えば藤沢厩舎のように、馬優先主義で出走回数が少なく、休養が多いところも、一口馬主にはあまり人気がありません。馬が走る姿をなかなか見られませんから。オススメの厩舎を一つあげれば、栗東の西村真幸厩舎ですかね。まだ開業して2年目ですが、ノーザンファームや調教助手生活で学んできたことが実を結び始めています」
もう一つ、オススメしたいのは、ダートで活躍できそうな馬を選ぶこと。ダート馬はワンランク下の馬と見られがちだが、それは払拭すべきだ。競馬ライターが力を込める。
「今は一流馬になると、地方との交流重賞に出られます。地方馬は脚力が落ちるので、絶好の稼ぎ場。出れば必ず稼げると言っていい。現に先のサンビスタや、10億2000万円稼いだ友駿ホースクラブのエスポワールシチーがそうでした。芝馬に比べて脚に負担がかからず、高齢まで活躍できるのも大きな魅力。そのうえ、値段も比較的安い」
この10月には、NHKマイルCを勝ったクラリティスカイの生産牧場パカパカファームがクラブ法人として参入予定だと言われる。ダービー馬ディープブリランテの全弟が目玉商品となるようだが、また大きな話題になるのは間違いない。