豊洲移転延期を手始めとして、有言実行で都政改革を推し進める小池氏の進撃が止まらないが‥‥。
「中央政界では『小池は壊し屋だ』と批判の声が上がっている。かつて防衛大臣に就任した時に守屋事務次官と対立し、壊すだけ壊して2カ月足らずで退いた過去があるからです」(都政担当記者)
都職員への処分を公言するなど、庁内の反発も増している小池氏。20日に、政治塾「都民ファーストの会」の立ち上げを発表したが、塾生は集まるのか。
現在、小池都政に味方する勢力こそ「共産党」だ。豊洲新市場の地下水の汚染数値などをいち早く公表。築地移転の延期を決定し、「盛り土」のウソを暴いた小池知事に呼応するかのような動きだ。
「小池氏は当選直後、築地移転中止を公約に掲げていた宇都宮健児弁護士と面会。資料を入手し、移転延期に前向きとなった。その時から共産党とのラインができていた。反自民都連の流れをくむ小池政治塾の幹部には、共産党と密に接触している都議がいます」(都政担当記者)
「政治塾」を軸に、左右共闘の異色タッグが結成されるのか──。
「さすがに組むことはない。移転問題の発端は、築地市場を管轄する東京中央卸売市場の都職員による、『豊洲市場の基本設計に当たった構造計算に問題がある』という内部告発を受けてのもの。そこに、石原都政が推し進めた移転に反対する共産党が相乗りしたにすぎない。知事も共産党の情報を一時的に利用し、豊洲の闇をあぶり出しているだけです」(前出・都政担当記者)
今月28日からの都議会本会議では、移転問題が争点になる。
「共産党は、豊洲問題のみならず石原知事時代の公設秘書が、大手建設会社の役員になるなど都政とゼネコンの不透明な関係にもメスを入れることが予想され、都政が空転するのは必至です」(前出・都政担当記者)
手段を選ばず、敵を掃討する小池氏。世論受けするパフォーマンスに走るあまり、「壊し屋」で終わる不安も付きまとうのだ。