ドラマや映画で欠かすことのできないアノ有名人は、元芸人だった! そんな例が、少なくない。
有名どころでは、大物俳優の竹中直人。映画のオファーが途絶えることのない、邦画界を代表する役者の1人だ。そんな竹中は、多摩美術大学在学中からブルース・リーのものまねをして、校内で有名な存在だった。在学中の77年「ぎんざNOW!」(TBS系)の「素人コメディアン道場」に出演。続いて、「TVジョッキー」(日本テレビ系)の素人勝ち抜きコーナー「ザ・チャレンジ」でチャンピオンになり、“笑いながら怒る人”というシュールなネタで、世に出るチャンスをつかんだ。
一方、NHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で“個性派俳優”の名を知らしめた田口浩正もそんな1人。テレビ朝日系の「必殺仕事人」シリーズ、「警視庁捜査一課9係」シリーズでもおなじみだが、88年の芸能界デビューは、コンビ芸人「テンション」だった。
「相方は小浦一優。『R-1ぐらんぷり2008』で準優勝してブレイクしたピン芸人の芋洗坂係長ですよ。2人は東京・六本木のショーパブで腕を磨いていたんです」(放送作家)
超意外なのは、“演歌界の大御所”北島三郎だ。芸能界デビュー後の不遇時代は、「ゲルピンちん太・ぽん太」という漫才師だった。北島は、「ぽん太」だ。1961年当初、歌の師匠だった作曲家・船村徹が、弟子2人に度胸をつけさせるために、笑いの道へ進ませた。船村が台本まで書いたが、鳴かず飛ばずのまま3日で解体。
ほかにも、吹越満、石倉三郎、でんでん、泉ピン子、Bro.KORNも売れない芸人時代を経て、今の地位を築いている。意外な一面に好感を持つ人も多いはずだが、当の本人にとっては触れられたくない黒歴史なのかもしれない。
(北村ともこ)