米倉涼子主演のドラマ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)が10月13日放送の第1話で20.4%の高視聴率をマーク。その一方で作品の内容については、通りすがりの医者が手術することなど絶対にありえないといった批判も高まっている。そんな荒唐無稽のドラマがなぜ多くの視聴者を集めるのか。その理由をテレビ誌のライターは、「水戸黄門化」にあると指摘する。
「本作は『私、失敗しないので』の決め台詞でおなじみ。内容も、ヒロインの名医が患者を巡っていろいろ揉めた末に、華麗に手術を成功させるという黄金パターンが確立されています。その様子は、悪だくみを働く悪代官を『この印籠が目に入らぬか!』のセリフで土下座させ、一件落着に導く『水戸黄門』と一緒。毎週のように繰り返されるマンネリな展開こそ、多くの視聴者が求めているものなのです」
しかし、毎回のように同じような話で飽きないのかという疑問も湧き出てくる。だがマンネリだからこそ、高視聴率が維持できるというのだ。テレビ誌のライターが続ける。
「平日21時台のドラマを支える女性視聴者は、若い世代ならスマホのチェックに忙しいですし、主婦層は夕食の片づけといった日常に忙殺されがち。そのためドラマも“ながら見”になってしまいますが、マンネリ化した『ドクターX』なら物語についていけなくなる心配がありません。そして『私、失敗しないので』の決め台詞を聞けば、一話を観終わった満足感も得られるというわけです」
マンネリ化ゆえの安定感が高視聴率の理由なのか。ヒロインの米倉は手術だけでなく、視聴率の面でも「私、失敗しないので」と自信を深めていそうだ。
(白根麻子)