「ミスターマリナーズ」とも言われた、イチローがシアトルを去った。常勝球団・ヤンキースへの移籍を吉報とする向きもあるが、舞台裏はそんなきれいごとばかりではない。孤高の天才ゆえか、古巣では首脳陣、チームメイト、地元マスコミからことごとく忌み嫌われていたというのである。
07年にも占い師に相談した
7月24日( 現地時間23日)、マリナーズ・イチロー(38)がヤンキースに電撃トレードされたことが発表された。
交換要員が若手投手2人プラス金銭という内容である。
さらに背番号は、オリックス時代から慣れ親しんだ「51」ではなく「31」。同球団で活躍したバーニー・ウィリアムスの背番号だったことに敬意を表して遠慮した形だが、ヤンキースではマリナーズ時代のように大きな顔はできないのだ。
会見開始から3時間半後に行われたヤンキース・イチローの初戦は8番ライト。いわゆる「ライパチ」での先発は、特別待遇でないことを象徴するかのようだった。スーパースターにとって「屈辱トレード」以外の何物でもないが、これを甘んじて受け入れた背景には何があったのか。
「一つには年齢による衰えがある。かつては走行中の新幹線から、通過する駅名を読み取れるほど優れていると言われた動体視力も今ではかなり落ちている。今年のイチローは、ノーステップ打法に取り組んだり、かたくなに拒んできた打順変更を受け入れたりと、新しいことに挑戦する覚悟が見て取れた。チームから放出され、これまでのように自由にはふるまえなくなることも想定していたのでしょう」( 在米ジャーナリスト)
10年間続けてきた3割、200安打という記録も、昨シーズンでとだえ、今季の打率も2割台中盤。5年契約の最終年だったイチローだが、年平均額でも20億円以上を得ており、とてもそれに見合う成績ではなくなっていた。
「オールスター前にズレンシックGMからトレードの話を持ち出された際は、ショックの色を隠せなかったそうです。イチローの契約にはトレード拒否権があったので、残留することもできた。しかし、自分の立場を理解していたからか、かなり前から悩んでいたようです」(スポーツライター)
最終的にヤンキースへの移籍を選んだが、その葛藤の裏では最後の後押しもあったという。ほかならぬ弓子夫人(46)が尻を叩いていたのだ。
「弓子夫人はTBSの女子アナ時代から、とある日本の占い師を信奉しているんです。実は07年に大型契約を結ぶ前にもその占い師に相談していたのですが、当時は『マリナーズに残ったほうがいい』と進言された。ところが今回は、イチローから話を聞いて日本に電話を入れると、『ニューヨークは方角がいいから行きなさい』との言葉をもらったため、夫に移籍を促した」
こう明かす球界関係者がさらに続ける。
「背番号についても『1を残したい』と占い師に相談したところ、『31が最も運気が上がる数字。51よりもいい』との助言をもらい、それに従ったそうです」
とはいえ、占いはあくまで最後の一押し。「決断」の裏には力の衰え以外にも複雑な事情が絡んでいた。
なんとイチローが、シアトルで凄絶なイジメにあっていたというのである。