12月9日、韓国の国会で朴槿恵(パククネ)大統領(64)の弾劾訴追案が可決され、大統領としての職務権限が停止した。「友人の国政介入」に端を発し、「収賄」や「憲法違反」の疑惑まで浮上。逮捕・収監は待ったなしの状況だ。
現時点で、朴大統領の去就は憲法裁判所に委ねられている。「コリア・レポート」の辺真一編集長が今後を占う。
「検察の訴えが棄却されるか、朴槿恵が罷免されるかは五分五分でしょう。朴が現職の大統領であるかぎり、刑事責任を追及されることはありませんが、憲法裁判所が罷免の審判を下せば、即座に逮捕されるのは間違いないと思います」
容疑については、友人の崔順実(チェスンシル)被告への「機密情報漏洩」、14年のセウォル号沈没事件において、「国民の生命と安全を守る」という職務を放棄した「憲法違反」、さらには収賄罪まで取りざたされている。
「日本と比べて、韓国では経済事件の罪が非常に重い。収賄ひとつとっても10年から無期懲役までの実刑が考えられます」(前出・辺氏)
朴大統領が、長期受刑者になる可能性まで出てきたのだ。有力視される収監先は、ソウルの大統領官邸から約130キロ離れた清州市にある「清州女子矯導所」。「韓国総合正論新聞」の李勝敏記者によると、
「1989年に新設された、韓国唯一の女性専用刑務所です。女性受刑者の中でも主に長期囚が収監され、現在は約640名の女性が服役しています」
朴大統領を待ち受ける“塀の中”のドン底生活とは──。同刑務所の元受刑者で、「韓国女子刑務所ギャル日記」の著書がある“あき”こと仲河亜輝さんが振り返る。
「ストレスのせいで、生理が止まりました。55歳未満の受刑者には、生理用品が無料で配られるのですが、私には不要だったので、他の受刑者と相談して、食品や日用品と交換してもらっていました」
彼女は、身に覚えのない違法薬物の密輸罪で、08年10月に仁川国際空港で逮捕され、約3年間の拘禁生活を余儀なくされた。
「空港に隣接された拘置所では最初に裸で身体検査を受けました。その後、衣服はパジャマの下を除いて全て“官物”に着替えさせられました。パンツは体操着のような青のブルマ。シャツはジッパーがついた緑色の長袖で、水道屋さんの作業服みたいに地味なものでした。初日にシャワーを浴びるように言われましたが、お湯が出なくて、震えながら体をキレイにしました」(亜輝さん・以下同)
冤罪を主張したが、裁判で懲役3年の実刑判決を受けると、さらに過酷な環境に身を置くことになる。