「占い師」や「影の女帝」と呼ばれる、私人の女性に国家機密を漏洩していた問題で、韓国の朴槿恵大統領の退陣カウントダウンが始まった! 40年来、“親密な関係”にあった女性の大統領府「私物化」が次々と発覚。一方、これまで“秘線”とされた朴女史の「鋼鉄」下半身事情も大炎上で溶け出した!
「死んで償うほどの罪を犯しました。国民の皆様、お許しください‥‥」
10月31日午後3時、韓国のソウル中央地検に出頭して、嗚咽を漏らしながら訴えたのは、朴槿恵(パク・クネ)大統領(64)と親しい女性実業家の崔順実(チェ・スンシル)氏(60)。それから約9時間後、国政介入などの容疑で身柄を拘束するため、緊急逮捕された──。
朴大統領の進退問題にまで発展した一大スキャンダルの引き金は、韓国のテレビ局・JTBCの特報だった。崔氏のタブレット端末を入手してデータ解析したところ、発表前の演説草稿など大統領府の機密情報が漏れていると報じたのだ。
この報道の翌日、朴大統領は緊急会見を開き、公職に就いていない民間人が国政に介入していた事実を認めた。崔氏については、
「私がつらかった時に助けてくれた。先の大統領選では演説文や広報資料の表現などで意見を聞き、助けてもらったことがある」
と説明して、謝罪の言葉を述べた。が、それで国民が納得するはずもなく、ソウルの目抜き通りには約3万人のデモ隊が集結し、退陣を要求。朴大統領の支持率は歴代最低の5%を記録した。「パックス・チャイナ中華帝国の野望」(講談社現代新書)の著者で、アジア情勢に詳しいジャーナリストの近藤大介氏はこう語る。
「検察が青瓦台(大統領府)に家宅捜索をした時点で、政権機能を完全に失っています。普通ではありえない場所に踏み込んだのは、検察や周囲から『この大統領ではもう無理だ』と見限られたのです」
青瓦台から流出した文書資料は、国防や外交、北朝鮮政策など国家機密も含まれていた。
「大統領就任以降、家族である弟や妹のことも信用せず連絡を取らなかったのに崔氏には心を許していたどころか、操り人形のように従っていた。ヘアスタイルやメイクの助言を聞き入れるだけではなく、外務省が作成した歴訪スケジュールには、行事ごとに崔氏の手書きで、『韓服』や『白』など服装の細かい指示まで書かれていました」(韓国紙記者)
クリーンなイメージの朴政権が一夜にして瓦解した背景には、「米国の存在」があると、韓国在住のジャーナリストは言う。
「韓国メディアの間では、崔氏が米国との交渉役の『密使』だったという情報が出ています。THAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)の件では、製造メーカーのロッキード・マーティン社ともめて交渉が難航。そんな折、米国の中央情報局(CIA)が、崔氏が朴大統領に北朝鮮攻撃を指示している情報をつかんだのです。崔氏の暴走を放置しては危険だと察して、テレビ局に朴政権のスキャンダルを流した。JTBCが崔氏のタブレットを入手した経路をハッキリ説明できないのは、米国が関係していると見られています」
40年前に米上院の公聴会で航空機売り込み工作が暴露され、田中角栄元総理が逮捕された「ロッキード事件」と同じように、知らぬ間に米国のしっぽを踏んで激怒させてしまったようだ。