いよいよ後半戦がスタートしたプロ野球。セは前評判どおり巨人が首位で折り返したが、パは上位5チームが5ゲーム以内の大混戦。はたして後半戦はどのような戦いが繰り広げられるのか、「巨人軍OB」の2人が熱く語った。
─すでに後半戦に入りましたが、前半戦を振り返ってもらえますか?
槙原 開幕前に予想した順位で言えば、セはまったくの予想どおり。1位から巨人、中日、広島、ヤクルト、阪神、DeNAとね。
駒田 俺はどうしたかな。(手帳を見て)あっ、5位と6位が逆だわ。
槙原 えっ、5位を。
駒田 DeNA。6位がDeNAって普通やん。
槙原 大胆ですね〜。
駒田 すごいやろ(笑)。
槙原 すごい(笑)。まあ、巨人は開幕当初はもたついたけど、原監督が早めに動いたからね。小笠原がやばいと思ったら、エドガーを獲ったり。あれで流れに乗れた感じがする。
駒田 それに、前にいたしな。今は打つバランスがいい。
槙原 小笠原の穴がまったく目立たないどころか、下位打線までが安定した。
駒田 小笠原は2000本安打も達成したし、これからスタイルを変えるのは難時のエドガーじゃないしいだろうね。200勝したベテラン投手が、球が行かなくなったからってスリークオーターにはできないじゃない。それと同じ。
槙原 そうだね。あと、投手陣では中継ぎの西村が自信をつけてきたのが大きい。この前、話を聞いたら「気持ちが楽になった」と言ってた。本当はクローザーをやりたいと思うけど、山口がいるしね。久保や越智がいなくてももう大丈夫。投打がかみ合っている。
駒田 先発陣は杉内や内海が防御率1点台だけど、澤村はどうして打たれるの?
槙原 う〜ん、やっぱり、力で勝負しようとする意識が高すぎるよね。押したり引いたり、ある程度しないと。これ、やっぱりボールの影響があると思う。
駒田 去年から使用されている統一球な。
槙原 日ハムの斎藤佑樹もしかりでね。1回、飛ぶボールで痛い目を見たら、もっとコントロールが重要だって、わかると思うんですよ。それが今は、仮に2─3で困ったら真ん中高めに力強い球を投げておけば、ホームランにならないから。せいぜい外野フライですよ、飛ばないから。
駒田 確かに。じゃあ、澤村の課題はコントロール。
槙原 そう。それなのに、ウエートトレーニングをして、スピードに走っている。求めている道がちょっと違うような気がする。
駒田 打者に関して言えば、移籍組の村田は守備もいいし、当てるのがうまい。
槙原 ホームラン数は減ったけど。
駒田 やっぱり、巨人に移籍してくる選手は自分の欠点をすごく意識するんですよ。三振すれば「ああ、チャンスで三振した」と落ち込む。横浜時代なら「次に打てばいいじゃん」ってすぐに切り替えられても、巨人ではそうしたダメな部分が脳裏に残る。だから、ミートすることにすごい意識が行ってる。
槙原 本当は、フルスイングで引っ張りたいんじゃないの(笑)。そのへんは少しかわいそうかな。
駒田 まあでも、巨人で三振ばかりしていたらファンは黙っていないし、批判もされる。だからH(ヒット)のランプをつけるバッティングをするのは正解だね。
─セ・リーグと比べてパ・リーグは大混戦です。
駒田 セも同じようになってほしいけどな。いちおう、ロッテが首位で折り返したけど、日ハムは安定しているし、楽天も頑張っている。ソフトバンクはどこまで粘りを見せるか。西武もそのうち上がってくると思う。やっぱり、優勝経験をしているチームは、戦力がダウンしても持ちこたえる力を持ってるよ。
槙原 若い投手が活躍しているから。ソフトバンクの武田やロッテの藤岡に益田、中後。楽天の釜田もそう。やっぱり、若手が出てくると、球界全体が盛り上がる。
駒田 セよりも若手投手が次々と出てくる。そういったくふうなのか、土壌があるのか、何かいいピッチャーが多いよな。
槙原 そうですね。