こうしたコーチの入れ替えは昨年のロッテ、今年も楽天などで頻繁に行われている。
「数字を見てわかるように、コーチはまったく機能していないのが実情です。村田総合コーチが全体を取りしきっていますが、原監督に『あいつにこう教えろ』と言われると、内容を完全に理解せずに、伝書鳩のようにそのまま選手に伝えるだけ。清水コーチにしても、選手の信頼はきわめて薄い。だからいつまでたっても貧打から抜け出せないんですよ」(スポーツ紙デスク)
まさに悪循環なのである。コーチ陣への不信感は投手部門にも飛び火。
「中継ぎ投手の間では、もはや球団を頼りにせず、他球団に移った元巨人のコーチや巨人OBに指導を求める選手もいるほど。勝利の方程式の一角である山口鉄也(31)がそうだと聞いています」(巨人担当記者)
貧すれば鈍する。さらには原采配にも火の粉が降りかかっているという。巨人担当記者が続ける。
「原監督の求心力が落ちていることもチーム不振の要因です。象徴的なのは、7月26日の広島。無死1、2塁という絶好の先制チャンスで、前日に本塁打を含む2安打している3番・坂本に、まさかのバント指令。イヤイヤ応じた坂本はやはり失敗し、チャンスをみすみす潰してしまった」
球団関係者も、嘆息しながらこう話すのだ。
「中日の落合時代もそうだったけど、監督の求心力が落ちるのは長期政権の宿命なのかもしれない。もはや監督のために頑張ろう、という気持ちはなくなりつつあるから‥‥」
どうにか巨人ファンの溜飲を下げ、希望を与える光はないものか。
「もう投手力で勝つしかないでしょう。打線に期待はできないので、少ない得点で逃げ切る。監督もそう腹をくくり始め、手堅い采配が目立つようになってきました。つまり、自由に打たせていない。早め早めに動くようにもなり、早い段階で代走の鈴木尚広(37)を投入して勝負をかけたりもしている。あとは救いがあるとすれば、こんな猛暑に東京ドームを使えるのはかなり有利です。体が動きますもん。広島やヤクルト、DeNAの投手陣なんてバテてきてるじゃないですか」(前出・球団関係者)
確かに8月後半は本拠地での試合がまだ6試合も残っている。
悲哀感あふれる姿は、巨人には似合わない。