昼ドラブームの起爆剤となった「真珠夫人」(02年、フジテレビ系)は、ドロドロの設定と過激なセリフの応酬が人気だった。ヒロイン・瑠璃子を演じた横山めぐみ(47)が、魔性に目覚めた瞬間を語る。
──もう15年も前になりますが、今なお「真珠夫人」はドラマ好きの間で語り継がれていますね。
横山 当時、オンエア中もネットの反響がすごかったの。それを見て私たちもモチベーションがどんどん上がっていく感じでした。でも、実は最初はお断りしようと思っていました。
──これほどの当たり役をなぜ?
横山 その12年前、同じ昼ドラの「新金色夜叉 百年の恋」(フジ系)でお宮の役をやったんです。昼ドラって、1日30分のオンエアが週に5日あって、その収録を1週間で済ませるからスケジュールがとにかく大変。もう2度とやりたくないと思ってたんだけど、脚本を読んだら「これ、おもしろい!」で即決(笑)。
──濁流が何層にも溶け合う中島丈博のシナリオは、強烈なセリフも多かった。ヒロイン・瑠璃子を婚約者の杉野直也(葛山信吾)から奪い、無理やり結婚する荘田勝平(大和田伸也)のセリフなど特にインパクト大です。
〈この肌ざわり、艶やかさ。あぁ、瑠璃子‥‥たまらんよ。お前は奇跡の果実、天空の宝石。お前が美しく、豪華であればあるほど、わしはお前を汚したい。この醜い体をお前に押しつけ、お前の中に分け入りたい〉
横山 ああ、言わせていましたね。全65話のドラマの序盤は清楚な感じでしたが、後半は娼館を切り盛りしている設定でしたので、衣装もメイクも強めになって、かなり妖艶な雰囲気が出せたと思います。
──デビューは87年の「北の国から ’87初恋」(フジ系)で、純(吉岡秀隆)の恋人・れいの役。
横山 ずっと、れいちゃんみたいな役のイメージを求められてて、15年目に、ようやく「真珠夫人」で覆すことができました。
──違う男に嫁いでも、愛する男に「2年待って。きれいな体のままでいますから」と言うセリフは有名ですが、自身と重なり合う部分はありますか?
横山 あると思います。魔性の部分というより、自分の本能に忠実に生きている部分が近かった。
──昼ドラ特有のイロっぽいシーンは?
横山 ありましたよ、キスシーンは何度もあったし、ベッドシーンもやりました。
──この年、流行語ベストテンにも「真珠夫人」が入っていましたね。
横山 大賞の「タマちゃん」に勝てなかったけど(笑)。
──このドラマと前後して、バラエティながら「SMAP×SMAP」(フジ系)の名物コーナー「体感エレベーター」も、妙ななまめかしさがありました。
横山 木村拓哉さんがエレベーターに乗り込んで、階に到着するまでエレベーターガールの私と「泥沼の不倫」などのお題に沿ったミニドラマを演じて。あれはおもしろい企画でしたよ。
──伝説の「真珠夫人」から15年、また衝撃の作品を期待しています。