大ヒット中の楽曲「PPAP」のタイトルや、歌詞に出てくる「ペンパイナッポーアッポーペン」といったフレーズが、歌手のピコ太郎や発売元のエイベックスと何ら関係のない大阪府の企業から商標出願されていたことがわかった。
もし商標登録が認められれば、「PPAP」の名称を使ったCDや関連商品が販売できなくなったり、使用料を要求される可能性を報じるメディアもある。だが実際には、ピコ太郎サイドは何も困らないというのだ。その理由を知財関連に詳しい週刊誌記者が解説する。
「今回のケースでは法律面から見て、ピコ太郎サイドに何の被害も及ばないのは明らか。それは『PPAP』が楽曲であり、著作権で保護されているからです。商標法の第29条では、他人の著作権に抵触する商標は使用できないと定められています。これを今回のケースに当てはめると、たとえ大阪の会社が商標の登録に成功しても、ピコ太郎やエイベックスに対して『PPAPを使うなら金をよこせ』と要求することはできないことになります」
しかも最高裁の判決によれば、ピコ太郎側に対して「PPAP」の使用差し止めを求めることもできないという。つまりCDを売り続けることはもちろん、PPAPの名称を用いた関連グッズを作ることにも何ら障害はないというわけだ。
とはいえ、当のピコ太郎は「人生っていろいろありますねえ」と語るなど、トラブルに巻き込まれて見通しが暗くなっている様子。ここはひとつ「暗い暗い暗い暗い、明るい~!」と、「ネオ・サングラス」ばりの明るい表情を見せてもらいたいものだ。
(金田麻有)