これはもちろん、巨人OBの大スター、松井秀喜氏(42)を指すのだが、
「新球場で新指揮官。これが巨人の希望です。もし『松井監督』なら、一番のインパクトになる。新球場の幕開けとともに、背番号55のユニホームを着て登場する。それが人気回復の最終手段だと考えています。しかし現在のところ、その可能性は低い」(NPB関係者)
さらに周知のとおり、豊洲新市場予定地の土壌汚染などの問題により築地市場の移転は難航し、先行きは怪しくなっている。
週刊アサヒ芸能は15年6月25日号で、巨人が2020年東京五輪のメイン会場となったあとの新国立競技場を本拠地として使う計画があることを報じた。だが、これも「税金を投入して建設した施設を民間に委ねるのはどうなのか」などの声が政治家らから出たことで不透明に。
新たな候補地について、球団関係者は、
「一つは江戸川区にあるロッテが経営するゴルフ練習場。250ヤード、400台の駐車スペースと、広さは抜群です。今、ロッテは球団経営が赤字で苦しんでいる。売却するつもりがあるかどうか、水面下で感触を確かめているようです。もう一つは、渋谷のNHKそばにある陸上競技場です。ここは東京都の持ち物なので、都心の一等地でありながら安く払い下げてもらえる可能性がある」
そんな中、最近になって読売グループ幹部から別の案を聞いた、という球界関係者がいた。
「球団幹部が今、かなり興味を示しているのは、東京スカイツリー周辺。その有力候補地が、墨田公園少年野球場です。少年時代の王貞治氏(76)が野球をやった球場として知られ、メモリアル球場として改修する話が出ている。少年野球の聖地としてのアピールもできます」
さらには、スカイツリーから徒歩圏の錦糸公園も候補の一つだという。
「新球場の建設には数百億円のカネがかかる。このご時世、読売グループといえどもかなりの負担になります。そこで球団は候補地と並行して、ビジネスパートナーも探している。その最有力が、スカイツリーを運営する東武グループです」(読売グループ関係者)
その布石もすでに打たれていた。スカイツリー敷地内にある商業施設、東京ソラマチでは全館をあげて巨人の優勝・応援セールが行われている。また、同施設には巨人直営のオフィシャルショップが入るなど、読売と東武は良好な関係にあるのだ。
読売グループ関係者が続けて明かす。
「新球場はメジャー仕様の屋根なし天然芝でいきたい。これはミスターの希望でもあるそうです。そしてさまざまな娯楽施設を併設する、これもメジャー的な『ボールパーク』構想も持っている。東武は鉄道以外に商業施設や遊園地なども多角経営していますから、タッグを組むには最適でしょう。もちろん、『松井監督』とセットで実現させたいのですが、彼は現在、ヤンキースでGM特別アドバイザーの職にあり、再三の巨人の打診にまだ明確な返事をしていないので‥‥」
球界の盟主がもくろむ「奥の手」は、はたして現実のものとなるか。