隣国の大統領は「親日派」ではなかった。我が国固有の領土を60年間も不法占拠しているのに、わびるどころか初上陸して笑みを浮かべ、天皇陛下に謝罪を要求したのだ。この“蛮行”に、さすがの日本政府も対抗措置を取ることを決定。このまま日韓関係の悪化が続けば、まさかの事態にもなりかねない。
天皇陛下へ謝罪要求は許せん
8月10日、韓国の李明博大統領(70)が島根県の竹島(韓国名・独島)に上陸した。韓国が不法に実効支配しているとはいえ、歴代大統領は日本に配慮して行動に出ることはなかった。
それを平然とやってのけただけでなく、帰国後も李大統領は日本への挑発的な発言を繰り返している。
「(日本は)国内政治のため、( 従軍慰安婦問題解決に)消極的な態度を取っている。自分の主張を行動で見せる必要を感じた」
竹島上陸の理由を韓国国会関係者にこう話すと、日本の反発についてこう語ったという。
「(日本の)国際社会での影響力は昔と同じではない」
さらに、8月14日には大学教員らとの会合の席で、李大統領は存在すらしない天皇陛下の訪韓話をデッチ上げ、こう言い放った。
「(訪韓の条件は)亡くなった独立運動家に対して、心からの謝罪をすること。『痛惜の念』との言葉だけなら、訪韓の必要はない」
天皇陛下がかつて韓国大統領にかけたお言葉をあげつらい、謝罪を要求したのだ。完全に日本をナメ切った言動である。
さすがに日本政府も抗議だけではなく、国際司法裁判所への提訴を明言した。韓国は同意しないために、公判が開かれることはないが、国際社会へのアピールとなるのは間違いない。
こうした外交的な措置だけではなく、経済分野への対抗措置も検討されそうだ。政治部デスクが言う。
「当初は、韓国に対して貿易黒字であることから、議員の間でも、経済分野に問題が波及することに及び腰でしたが、天皇陛下への謝罪要求で日韓通貨スワップを中止せよ、という声が閣僚からも上がっています」
実際に、日経新聞が電子版読者に行ったアンケート結果では、9割が李大統領の竹島上陸を「許せない」と答えた。日本政府が取るべき対応として、3割が「関税などの経済上の対抗措置」を望んでいる。
経済的対抗措置を取れば、日本も無傷では済まない。それほどまでに、李大統領の言動に日本人はブチ切れているのだ。
竹島上陸経験もあり、「ニッポンの国境」(光文社刊)の著者であるノンフィクションライターの西牟田靖氏もこう話す。
「韓国では政権末期になると、大統領が求心力を高めるために『反日』を掲げることはよくあることです。今回の竹島上陸も人気取りだと思っていました。しかし、天皇陛下への謝罪要求に至って、単なる人気取りではないと感じました。もしかしたら、北朝鮮との接近のために日本への敵意をムキ出しにしたのかもしれない。とにかく、日本の戦後体制が崩壊し始めてきたのではと思っています」