自衛隊が空と海を制する!
いや、わざわざ竹島での局地戦を行う必要すらないかもしれない。
軍事評論家の加藤健二郎氏はこう話す。
「現代の戦争は陸海空全ての兵器を連動して運用することが鍵となります。そういう意味でも、総合的な戦力は日本のほうが有利でしょう。また、竹島のような小さな離島となれば、空と海を制して相手の補給線を断つのが優先されることになります。特に、海自の能力は韓国海軍をはるかに上回っているので、日本は有利に進められるはずです」
韓国の補給基地となりうるのが、竹島の東92キロに位置する鬱陵島だろう。この2つの島を結ぶ海域を封鎖する必要がある。
前出・世良氏が話す。
「海域を封鎖するには、潜水艦の能力が必要になる。海自は現在、延命などさせて20隻を保有しています。韓国も同程度の潜水艦を保有していますが、日本に比べて小型の潜水艦ばかりです。しかも、日本の潜水艦は1週間から10日間は潜行し続けられるのに対し、韓国の潜水艦は3日に1度は浮上しなくてはならず、日本の哨戒機が沈めることができる。日本の潜水艦は速力こそ出ないが、補給路を通る艦船を沈めるには潜行能力に優れた日本のほうが有利となるでしょう」
たとえ、韓国が巡航ミサイルや対艦ハープーンミサイルで攻撃してきても、海自にはイージス艦がある。即座にミサイルを撃ち落とすことが可能なのだ。
「海自は6隻、韓国海軍は3隻のイージス艦を配備しています。数でも日本が上ですが、韓国のイージス艦は『なんちゃってイージス艦』と呼ばれるほど、性能が劣る。日本のほうがイージス艦を導入したのは早く、運用面でも有利です」(前出・世良氏)
一方、空での戦いには要注意だという。
「韓国が次期主力戦闘機として、すでに20機を配備している『F15K』は、日本の『F15J』よりも性能が上回っています。そういう意味では、用心が必要です。ただし、パイロットの技術は日本のほうが上ですし、空自には早期警戒管制機をすでに配備していて、韓国から戦闘機が飛び立った瞬間に捕捉できる能力があり、十分に叩くことはできます」(前出・世良氏)
こうして、海戦と空戦に日本が勝利すれば、おのずと竹島への補給路はなくなり、韓国も竹島から撤退せざるをえなくなる。しかし、海自や空自の能力が韓国軍を上回っていることは韓国側も織り込み済みである。
「06年には、韓国の市民団体が日韓の海軍戦力を比較し、シミュレーションした結果、韓国海軍が完敗するとしています。また、韓国のメディアでは、日本の航空戦力に追いつけとばかりに、韓国軍が自衛隊に敗れる可能性を指摘する記事がたびたび出ています」(前出・政治部デスク)
そのせいか、韓国ではこの9月にも竹島で大規模な韓国海軍海兵隊を中心とした軍事演習を行うとしている。その演習の目的は、竹島を“仮想敵”に奪われた際の奪還だという。