3月13日、テレビ朝日系で21時からの放送が予定されていたのは、「現役・OBレスラー200人&ファン1万人が選ぶプロレス総選挙」だった。ところが「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本対オランダ」の延長戦突入により、放送スタートはなんと、24時13分から。プロレス番組としては久々のゴールデン帯での放送だったことから、ネット上でも「ツイてなさすぎ」「いっそ日を改めては」といった声が続出した。
多くのファンとレスラーにアンケートを取ったほか、ランク入りした大物レスラーを収録に参加させるなど費用をかけていただけに、内部的にも痛恨なのではと思いきや、意外にも──。
「本当にWBCサマサマですよ。ありがたい偶然がいくつも重なりました」
こう言って次のように内部事情を明かすのは、テレ朝関係者である。
「なによりWBCの放送中にたびたび、『プロレス総選挙は放送終了後にお届けします』と告知されたことが最高の宣伝になりました。ツイッターでも『プロレス総選挙』が人気のキーワードとなり、『本当に放送するのか』と注目を集めていました。さらには死闘の末、日本がオランダを撃破したことで、視聴者のテンションは最高潮。興奮で寝付けず『プロレス総選挙を見てみるか』という気になった方も多いと聞きました」
確かに「プロレス総選挙」の視聴率は4.8%。同時間帯にしては大健闘といえる数字である。
「おかげさまで、再放送や第2回の問い合わせも多く頂いています。現場では『神風が吹いた』とまで言われているんですよ」
予期せぬ形で話題の番組となった「プロレス総選挙」。今回のWBCがプロレス人気回復の「神風」になるかもしれない。
(白川健一)